金融教育公開授業
平成18年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
福岡県金融広報委員会
金融広報中央委員会
福岡/筑紫野市の実施報告
「金融教育公開授業 in 福岡(筑紫野中学校)」(11月24日開催)
筑紫野市立筑紫野中学校は、福岡県金融広報委員会から金銭教育研究校(17年度~18年度)の委嘱を受け、「健全な金銭感覚と正しい消費生活能力を身に付けた生徒の育成-教科・領域等の特色を生かした授業づくりを通して-」を研究主題に設定し、授業の中で金銭・金融に関することを取り入れることが難しい音楽科、保健体育科を除く全教科において、金銭教育に取組んできました。まさに学校全体の取組みという理想的なスタイルでの研究実践となりました。今回は、2年間の研究の成果を公開授業、全体会の中で発表するとともに、保護者、教員、地域住民の方を対象とした講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
学校関係者58名、保護者143名、金融広報委員会関係者:7名、合計208名
公開授業
国語・数学・社会・理科・美術・技術・家庭科・英語の7教科につき、12学級で公開授業を実施しました。数学では関数を使い「単利と複利の違い」や「それぞれの計算の方法」を学習したり、美術では作成するポスターのテーマを「金銭トラブル防止」に設定したりと、各教科の学習内容の中に、題材として「金銭にまつわる事項」を上手く盛り込み授業を展開することで、道徳や家庭科に偏らない金銭教育を実践しています。公開授業の内容は以下の一覧のとおりです。
教科・領域 | 学級 | 単元・題材名 |
---|---|---|
学級活動 | 1年1組 | 働くことの意義と目的を考えよう |
技術・家庭科 | 1年3組 | きれいで安全な水を守る方法をみつけよう |
英語 | 1年4組 | 外貨を使って市場にカレーの材料を買いに行こう |
道徳 | 1年5組 | 働くことの大切さについて考えよう |
国語 | 2年1組 | 伝え合うために~「あなたはカード派?現金派?」~ |
理科 | 2年4組 | 地球温暖化と資源の有効活用の関係について考えよう |
道徳 | 2年5組 | お金にはかえられない労働について考えよう |
美術 | 2年6組 | 金銭トラブル防止ポスターをつくろう |
学級活動 | 3年1組 | 高等学校の学費を調べ、自己の進路選択にいかそう |
数学 | 3年2組 | 単利と複利の違いを理解して、計算できるようになろう |
社会 | 3年3組 | 市場経済と金融 |
道徳 | 3年6組 | 労働を通してお金の大切さを考えよう |
実施された公開授業の一部を紹介します。
2年生 「伝え合うために~『あなたはカード派?現金派?』~」
支払いをする際にクレジットカードを使うか現金で払うかについて、生徒がカード派と現金派に分かれてそれぞれの長所と短所を話し合うことを通じて、討論の練習をしました。「クレジットカードで払うと現金を持ち歩く必要がなく便利」、「現金払いの方が人間性がある」などの意見が挙がっていました。
3年生 「単利と複利の違いを理解して、計算できるようになろう」
単利と複利の金利計算式を理解して計算するとともに、それぞれの特色と相違点を学ぶ授業でした。複利はいくら利息がつくのかわかりにくいこと、時間が経つにつれて複利の方が単利より支払い金額が高くなることを学んでいました。
講演会
生活経済ジャーナリストのいちのせかつみ氏をお招きし「今、金融教育が必要なワケ」というテーマで講演をしていただきました。ユーモアを交えつつも、お金の大切さや怖さ、家庭でのお金の躾の仕方、親の姿勢など、実体験を踏まえたお話は参加者にも共感を呼び、参加した保護者からは「お金の大切さ、怖さをあらためて感じた」、「子どもに躾をする立場としての自分の行動をもう一度見直す良いきっかけとなった」、「親ももっと学習する必要があると感じた」、「親子で、携帯電話やお金についてしっかり話し合いたい」といった感想が聞かれるとともに、「親子で一緒に話を聞きたかった」、「金銭教育はこれからの子どもに本当に必要な教育だと感じた」という声が多数聞かれました。

プログラム
- 13:10~14:00
- 公開授業I
- 14:10~15:00
- 公開授業II
- 15:15~15:50
- 開会挨拶 筑紫野市立筑紫野中学校 校長
主催者挨拶 福岡県金融広報委員会 会長
来賓挨拶 筑紫野市教育委員会 教育長
研究発表 筑紫野市立筑紫野中学校 教諭 - 15:50~16:50
- 講演「今、金融教育が必要なワケ」
講師:いちのせ かつみ氏(生活経済ジャーナリスト) - 16:50
- 閉会