金融教育公開授業
平成21年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
新潟県金融広報委員会
糸魚川市立糸魚川中学校
金融広報中央委員会
新潟の実施報告
「金融教育公開授業 in 糸魚川(糸魚川中学校)」(10月28日開催)
糸魚川市立糸魚川中学校は、新潟県金融教育広報委員会より金融教育研究校(20・21年度)の委嘱を受け、金融教育に取り組んでいます。
同校では、キャリア教育とタイアップさせ、1・2年生による職場見学や職場体験のほか、3年生の社会科を中心に「経済感覚を磨くための授業」を実践するなど、積極的な活動を展開しています。
同日は、午前中に3年生・社会科の公開授業を、午後からはダニエル・カール氏(翻訳家・タレント・山形弁研究家)をお迎えし講演会が行われました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
教科書に記述されている経済学習と、現実の社会で起こっている経済政策や経済問題をリンクさせ、生きた経済を生徒に理解してもらうことを狙いとした授業が行われました。
「中学1年生から大事にため続けたお年玉5万円で以前から欲しいと思っていた品物を買います。欲しいと思っている次の3つの品物の中から何を買いますか?その際どのように決断をしますか?」こうした問い掛けで始まった授業では、経済活動においては「人の欲望は無限。でも物には限りがある」(稀少性)と「何かを選んだら何かをあきらめなくてはならない」(トレードオフ)が大原則であり、そのため効率的な選択が大切であるとの説明がありました。
その後「今の日本経済の現状」について、(1)家庭における収入と支出の変化、(2)企業の売上推移と倒産数・失業率、そして(3)国の政策と財政について、グラフや新聞報道から読み取り考える等、日本経済の現状をとらえて理解するための授業が展開されました。
公開授業の参加者から「経済学習は、生徒・教師とも『専門的で難しい』と評価されることが多い中、実社会で起きている経済の動きを授業の中に取り入れた素晴らしい授業だった」との感想が多く聞かれました。
2.講演会
公開授業の後、ダニエル・カール氏から「日本とアメリカの違いから学ぶ賢い消費者へのみち」と題した講演会が行われました。自身が初めて日本に来た時のホームスティ先の子どもが、親に「お金をちょうだい」と簡単に言ってお金をもらう姿に衝撃を受けたという話から始まりました。
自分にとっての「お金」は「汗をかいて稼ぐものだ」と自身の育った環境から学んでいたため「お金は、もらうものではなく稼ぐものだと教えられた。そのため6歳から家事、家畜の世話などをしてお金を得た。また、賃金を得るための契約を父と交わすことで、初めて『契約』とはどういうものかについても学んだ」と話されました。
同氏は「日本では、子どもにお金のことを話さないという風潮があるようですが、二十歳になってから初めてお金のことを勉強するようでは危ない。皆さんは今のうちから親や先生からいろんなことを聞いておくことが大切です」と強調されました。
講演会後半では、生徒による同氏への質問コーナーが設けられ「貯金はいくらしていますか?」、「中学生がお金を稼ぐことはできますか?」、「高速道路の無料化をどう思いますか?」等々、多くの質問が出され会場は大いに盛り上がりました。
3.プログラム
- 9:50~10:40
- 公開授業「消費者の暮らしと経済」(3年生・社会科)」
- 14:10~14:20
- 開会挨拶
糸魚川市立糸魚川中学校 校長
新潟県金融広報委員会 事務局長 - 14:20~15:50
- 講演「日本とアメリカの違いから学ぶ賢い消費者へのみち」
講師:ダニエル・カール氏 - 15:50~15:55
- 閉会挨拶
糸魚川市立糸魚川中学校 PTA代表