金融教育公開授業
2013年度 金融教育公開授業
東京都金融広報委員会
東村山市立回田小学校
金融広報中央委員会
東京/東村山市の実施報告
「金融教育公開授業 in 東村山(回田小学校)」(2月23日開催)
東村山市立回田小学校は、東京都金融広報委員会から金融教育研究校の委嘱(平成24・25年度)を受け、2013年度は「思考力・判断力・表現力を育てる指導の工夫~消費者・金融教育を通して~」を、2014年度は「よりよく考え、判断し、行動する子の育成~消費者・金融教育から~」をそれぞれ研究テーマとして掲げ、全学年を対象として金融教育の実践に取り組んできました。
2014年2月23日(日)には、取り組みの集大成として、金融教育公開授業を開催し、公開授業、研究実践報告・指導講評に続き、洞口勝人氏による講演会を開催しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「おれたクレヨン」
はじめに教室にどんな落とし物がたまっているか、皆で確認しました。次に、「おれたクレヨン」の絵を見て、日頃使っている文房具の気持ちについて考え、話し合いました。丁寧に使えば長く使うことができることや、買ってくれた人の気持ちも考え身の回りのものを大切に扱うことを学びました。
(2)「買いもの上手になろう!」
これまでお店屋さんごっこをするための準備を班ごとに行ってきました。当日は、交替で店と客の立場になって、物の売り買いを体験しました。「売り手」は買ってもらうために呼び込みをしたり、品物の並べ方や説明を工夫しました。「買い手」は品物をどのように選ぶのか、お金をどう使うのかを考えて行動しました。
(3)「もったいないから考えよう」
これまで落とし物や身の回りで使っていない文房具をリスト化してきました。リストに記入された値段や使われなくなった理由をもとに、「もったいないか」または「そうでないか」を考え、使われなくなった理由を踏まえたうえで、どのようにすればそれらを有効活用できるかを話し合いました。
(4)「拡げよう わくわくワーク」
3~4名のグループごとに、職業体験についてパワーポイントを使って発表しました。職業体験を通じて、様々な仕事があること、簡単そうに見える仕事もやってみると大変なこと、身近な人たちの日々の労働によって自分たちの生活が支えられていることなどがよくわかった、という報告がありました。
(5)「What's money?~買い物と契約~」
まず、行政書士の方から、書籍の購入を例として、買い物が売買契約であることや、契約の様々な効果の説明を聞きました。その後、販売店や商品の選び方について話し合いました。契約の成立時点と効力を念頭において、いかに上手に買い物をするかといった観点で意見が出されました。
(6)「我ら、アイデアマン!」
ハンバーガーショップを経営するとした場合、立地条件を踏まえてどのような商品や値段、営業時間にするか、グループごとに発表しました。各グループの発表のうち、消費者の立場から良いアイデアと思われる点を各自で記録しました。
2.研究実践報告・指導講評
公開授業に続き、研究実践報告において以下のような発表がありました。
- 1)消費者教育は「学ぶ意欲」、「生き方や価値観」を磨くものとして様々な教科等にその要素を取り入れることで、効果的な学習計画を施策できた。
- 2)体験型の学習を多く取り入れることで、子どもたちが進んで学習に取り組むことができた(アンケートでの児童の自己評価:91%)。
- 3)子どもたちが自分の暮らしや社会の仕組みを関連付けて物事を考えられるようになった。
また、小関禮子氏から、「回田小学校の研究および実践活動は、新しい教育が求めているものに合致する。単にものやお金、労働の定義を言葉で説明するのではなく、様々な授業活動の中に『体験』という形でお金などの要素を取り入れ、考えたり判断させたりすることで、子どもたちの記憶に残り、効果的な理解につなげることができたと思う」との講評がありました。
3.講演会
研究実践報告および指導講評に続き、洞口勝人氏から「学校では教えてくれない身近な経済・お金の話」と題する講演が行われました。
洞口氏は、子どもたちにも身近な存在であるTシャツを実際に示して見せながら、原材料の種類や原産国、生産地のほか、Tシャツの製造にかかる様々な費用(生地代、染色加工費、ロゴ印刷費、運送費など)について紹介しました。
また、日本と海外を比較し、工場で働く人の時給や理髪代等の違いについて、子どもたちに質問を投げかけながら、わかりやすく説明しました。
講演会終了後、児童からは「日本で働く人の給料が中国やバングラデシュよりもはるかに高いことにびっくりした」「日本は経済的に豊かな国だということがよくわかった」などの声が聞かれ、保護者からは「子どもにわかりやすくお金の大切さを伝えていただいて良かった」「子どもたちに質問を投げかけ考えさせながら話されていたので、興味を持って参加できたと思う」などの声が寄せられました。
4.プログラム
- 9:30~10:15
- 公開授業
(1)「おれたクレヨン」(1年・道徳)
(2)「買いもの上手になろう!」(2年・生活)
(3)「もったいないから考えよう」(3年・総合的な学習の時間)
(4)「拡げよう わくわくワーク」(4年・総合的な学習の時間)
(5)「What's money?~買い物と契約~」(5年・総合的な学習の時間)
(6)「我ら、アイデアマン!」(6年・総合的な学習の時間)
授業者:東村山市立回田小学校教諭 篠原まゆみ、関晴彦、高木京子、小林雅代、羽田まどか、金子直子、安間和夫、新野皓紀、塩崎志津、菅沼耕太、市原綾馬、武内泰志、亀山里美、小林聡仁、塚本哲、﨑田靖也、永富真紀 - 10:30~10:35
- 開会挨拶
東京都金融広報委員会委員 前川瑞穂 - 10:35~10:45
- 研究実践報告「よりよく考え、判断し、行動する子の育成~消費者・金融教育から~」
発表者:東村山市立回田小学校教諭 塚本哲 - 10:45~10:55
- 指導講評
講評者:帝京大学大学院教職研究科教授 小関禮子 - 11:00~12:00
- 講演「学校では教えてくれない身近な経済・お金の話」
講師:洞口勝人氏 - 12:00~12:10
- 閉会挨拶
東村山市立回田小学校PTA会長 大野桃子
東村山市立回田小学校校長 曽我部多美