金融教育公開授業
2013年度 金融教育公開授業
愛知県金融広報委員会
瀬戸市立長根小学校
金融広報中央委員会
愛知/瀬戸市の実施報告
「金融教育公開授業 in 瀬戸(長根小学校)」(11月21日開催)
瀬戸市立長根小学校は、瀬戸市の西部を一望する丘陵地にあり、校区には、国道363号線、県道名古屋瀬戸線が走っています。市内でも重要な商業地にあり、住宅開発も進んでいる活気ある地域で、地域より熱望されて昭和41年に開校しました。瀬戸市はキャリア教育・食育に積極的に取り組んでおり、学校教育に対する関心と期待がとても大きな地域です。その中で、「強く 明るく よく励む」を校訓として、豊かな社会性をもつ子どもたちの育成に力を入れています。
11月21日(木)に、「勤労の大切さを知り、よりよく生きようとする児童の育成」をテーマに、金銭教育研究発表会を開催しました。当日は、全学級で公開授業を行いました。研究発表の後、ファイナンシャルプランナーで生活経済ジャーナリストのいちのせかつみ氏による講演があり、児童、教育関係者、保護者、地域の方々などが参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「みんなの にこにこ だいさくせん」
児童がいつも家庭で行っている手伝いについて家族から手紙をもらい、返事の手紙を準備しました。公開授業当日は、児童が各自で書いた手紙を発表しました。友だちの発表を聞いて良いと思う点をメモして、それぞれの今後の目標に取り入れました。家族からの手紙を通して、家族への感謝の気持ちと、働く事の大切さを学びました。
(2)「感謝の気持ち」
硬貨の模型を使ったお金ゲームを通じて500円の価値を考えました。児童は、まず給食1食分が500円の約半分であることを知り、その後、500円で何を買うかを考えて、こづかい帳に記帳しました。ゲームを終えて、工夫したことや、500円の価値について考えたことを発表しました。生活を支えてくれる家族への感謝の気持ちを持つとともに、改めてお金の大切さについて学びました。
(3)「まちをたんけん 大はっけん」
授業でスーパーマーケットを探険した時のことを思い出し、スーパーマーケットで働く人が行っていた仕事をワークシートに記入しました。その後、家族の仕事や自分がしている手伝いについて調べてきたことを発表し、家族への感謝の気持ちを手紙に書きました。働くことの大切さを考える授業となりました。
(4)「ゲームマーケットをしよう」
家庭で手伝いをすると手作り陶貨「ナガーネ」をもらえるという実践を1か月にわたって行ってきました。当日は、この陶貨を使ってゲームマーケットを開催しました。店を運営する中でおつりの陶貨や景品を準備したり、客としてゲームの説明を聞いて遊んだりしました。働くことの大変さや、金銭のやりとりを通してお金の大切さを学びました。
(5)「友だちのしょうこ」
お金や物の大切さについて学びました。友だちと同じものを祖母に買ってもらおうとするのを母親に止められた主人公の気持ちや行動について意見を出し合いました。物を買う時にどのようなことを考える必要があるのかをワークシートに書き出したあと、まとめとして『あたらしいリュックサック』の話を聞きました。
(6)「おばあさんのせいきゅう書」
人のために働くことの大切さや進んで人のために働くことについて学びました。祖母のためにおつかいをした主人公が祖母に500円の請求書を書いてお金を手に入れるが、主人公のためにいろいろなことをしてくれる祖母からの請求書は0円であったことについて、祖母や主人公の気持ちを考え、意見を交換しました。
(7)「カンボジアの子どもたちへ」
はじめに、カンボジアの学校や子どもたちの写真を見て、学校の授業が3部に分かれて行われている、教室が狭い、雨もりしそう、床が土、など気付いたことについて発表しました。次に、資料『カンボジアの子どもたちへ』を読んで、ボランティア活動をしている大森さんの言葉や行動を主人公がどう思ったか話し合いました。最後に、自分たちの現状と比べることにより、カンボジアの子どもたちにしてあげられることや、身の周りのものについて考えたことをワークシートにまとめました。
(8)「子牛のたん生」
はじめに毎日の生活の中で家族を困らせた経験を思い出したあと、『子牛のたん生』を読み、主人公の態度やすねた気持ちについて話し合いました。次に、家族の一員としての役割を果たした時の経験や気持ちをワークシートに記入し、発表しました。家計を支えてくれている人がいること、家族の立場と家族の一員としての役割について学びました。
(9)「将来の自分を考えよう」
まず、自分の性格や興味・関心のあることをマッピングのワークシートに記入しました。次に、3人グループになり、友達に書いてもらった自分の「良いところカード」と「職業マップ」を使って、マッピングで導き出される自分に合った職業が何かを記入し、グループで話し合い、気付いたことや感想を発表しました。職業マップから職業には多くのつながりがあることを知り、自分の将来について考え、職業の意義や大切さを理解する機会となりました。
(10)「お買いものごっこをしよう」
買い物を擬似体験する学習をしました。商品や値札、レジなど店の準備を行い、客として来店した家の人からお金を受け取って販売しました。最後に、売った商品の数と売上金を計算し、発表しました。お金の種類、数え方、等価関係、買い物の仕方など、実生活で生かしていける体験ができました。
2.講演会
公開授業の後、いちのせかつみ氏を講師に迎え、「子どもはお金が好きやねん!今、金融教育が必要なワケ」と題する講演を行いました。
いちのせ氏は、椅子に座っている子ども達の間を歩きながら、「お金は好き?」「お金があったら何を買う?」と質問し、働き方(サラリーマンとフリーター)によって得られる収入に差があることを説明されました。
また、コンビニが商品を売るためにどのような工夫や研究をしているかを紹介し、学校で勉強していることが商品を売るための成果に結びついていると述べられました。
最後に、「欲しいものを買う人と必要なものを買う人はどちらが賢いか」という質問を投げかけ、大人になった時、欲しいものではなく、必要なものを買える人になってほしいと話を締めくくられました。
講演後、児童から「コンビニにはいろいろな工夫がなされていることがわかった」「欲しいものと必要なものがちがうことがわかった」「今のお金の使いかたを改めて考えてから使うようにする」といった感想が聞かれました。
3.プログラム
- 13:05~13:50
- 公開授業
(1)「みんなの にこにこ だいさくせん」(1年生・生活)
(2)「感謝の気持ち」(2年1組・学級活動)
(3)「まちをたんけん 大はっけん」(2年2・3組・生活)
(4)「ゲームマーケットをしよう」(3年生・総合的な学習の時間)
(5)「友だちのしょうこ」(4年1組・道徳)
(6)「おばあさんのせいきゅう書」(4年2組・道徳)
(7)「カンボジアの子どもたちへ」(4年3組・道徳)
(8)「子牛のたん生」(5年生・道徳)
(9)「将来の自分を考えよう」(6年生・総合的な学習の時間)
(10)「お買いものごっこをしよう」(ふれあい学級・算数) - 14:05~14:15
- 開会挨拶
愛知県金融広報委員会常任委員 伊藤弘憲
瀬戸市教育委員会教育長 深見和博 - 14:15~14:55
- 研究発表
瀬戸市立長根小学校 研究推進部
指導講評
愛知県教育委員会指導主事 都築孝明 - 14:55~16:05
- 講演「子どもはお金が好きやねん!今、金融教育が必要なワケ」
講師:いちのせかつみ氏 - 16:05~16:10
- 閉会挨拶
瀬戸市立長根小学校校長 大塚尚人