金融教育公開授業
2017年度 金融教育公開授業
富山県金融広報委員会
富山県立新湊高等学校
金融広報中央委員会
富山/射水市の実施報告
「金融教育公開授業 in 富山(射水市)(新湊高校)」(2月15日開催)
富山県立新湊高等学校は、昭和2年設立の富山県立射水中学校および昭和15年設立の富山県立新湊高等女学校を母体とする90年の歴史を持つ伝統ある学校です。普通科・商業科の課程からなる総合制高校として、校訓である五稜の精神「真・徳・美・知・体」が調和する豊かな人格の形成をめざしています。
2月15日(木)に金融教育公開授業を開催し、1年生商業科を対象とする公開授業と、1、2年生全科、3年生商業科、教員、保護者を含めた全ての参加者を対象とする菊地幸夫氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「資金を適正に管理することの大切さについて考える」と題して、1年生商業科において「ビジネス基礎」の授業を行いました。
まず、「流通の歴史と発展」についてスライドを利用して説明がありました。その後、「もしお金がなかったら」というテーマについて、各グループで話し合いをしました。生徒からは、「物やサービスを買えない」という意見が出されました。お金の「交換手段」、「価値の尺度」、「価値の保存」の役割について、教師から説明がありました。
次に、「コンビニで支払ったお金はどこへ?」とのテーマで、各グループで話し合いをしました。生徒たちは、コンビニで支払ったお金がどこに行くかを付せんに書き出して、模造紙に貼り付けていきました。生徒から、「給料、銀行、コンビニの設備にお金が流れる」という意見がありました。教師からは、スライドを利用して、仕入れ代金の支払い、従業員の給料、水道光熱費などにお金が流れ、お金は世の中を流通していることが説明されました。また、経済には消費、流通、生産という役割があり、基本的な単位として家計、企業、財政があり、これらを経済主体という、との説明がありました。
まとめとして、教師から「お金がないとどうなる?」とのテーマでスライドを使用した説明がありました。「企業は倒産」、「消費者は多重債務」という話がありました。最後に、「金融とは資金を融通すること」、「お金は社会の血液」、「お金は使わないと社会が停滞し、経済が発展しない」といった説明があり、生徒たちは金融の役割の重要性について理解を深めることができました。
2.講演会
公開授業の後、菊地幸夫氏から、「大事なことなのに学校で教えないもの=お金」と題する講演が行われました。まず初めに、お金に関わる話として、「未成年者が関わったオレオレ詐欺犯罪」、「投資」、「土地購入」、「ギャンブル」、「クレジットカード」など、生徒たちにとって身近なものや興味を持っている事柄を題材にして、わかりやすく話をされました。
その中でも、「クレジットカード」の話の中で、大学生が自分のクレジットカードを友人の友人に貸し、その大学生が多額の支払いをすることになったという事例を詳しく紹介されました。菊地氏は、「クレジットカードを他人に貸すことはありえない」、「自分のクレジットカードを使う時は、自分はどれだけ返金できるのかを考えて使うこと」と話されました。
最後に、菊地氏は、「欲しい物を買うのではなく、必要な物を買うこと。耳で買うのではなく、目で(見極めて)買ってください」、「今は自分に投資してください。本を読むとか、自分の心身を成長させることをしてください」、「お金で買えない大切なもの(尊いもの)を持っている人は、弁護士のお世話になることはない。家族や倫理観を持っているからである」と話したうえで、「生徒のみなさんには、大切なものを身につけ、大きく羽ばたいてください」というメッセージを送りました。
生徒からは、「詐欺には気をつけようと思った」、「若い年齢でも加害者になるという怖さを知ることができた」、「しっかり自分自身をコントロールしていきたい」などの感想が寄せられました。
3.プログラム
- 9:50~10:40
- 公開授業
「資金を適正に管理することの大切さについて考える」
(1年生 ビジネス基礎) - 10:55~11:00
- 開会挨拶
富山県金融広報委員会副会長 工藤治 - 11:00~12:00
- 講演「大事なことなのに学校で教えないもの=お金」
講師:菊地幸夫氏 - 12:00~12:05
- 閉会挨拶
富山県立新湊高等学校校長 谷内祥訓