金融教育公開授業
2019年度 金融教育公開授業
青森県金融広報委員会
青森山田中学高等学校
金融広報中央委員会
青森の実施報告
「金融教育公開授業 in 青森(青森山田中学高等学校)」(11月20日開催)
青森山田中学高等学校は、文武両道を目指す中高一貫校です。個性や目的に合わせて選べる4学科6コースを設置し、グローバル社会で互いに協働して生き抜く生徒の育成を目指しています。
11月20日(水)に金融教育公開授業を開催し、中学3年生を対象にした公開授業と、全校生徒(中学・高校)を対象としたパックンマックンによる講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「日本銀行の役割と好不況の関わりについて理解を深めるシミュレーションゲームによる学習」(中学校3年生 社会科)
生徒は、金融機関・日本銀行・政府・企業・消費者の各主体が経済活動でどのような役割を果たしているのかをシミュレーションする「不況脱出ゲーム」を行いながら、各主体と国民生活との関わりについて学びました。
ゲームは、1グループ8名(日銀1、政府1、銀行1、企業2、消費者2、海外1)に分かれて、オリンピックやねぶた祭などの「好景気カード」、リーマンショック、オイルショック、災害などの「不景気カード」を用いて行いました。生徒は、消費者や企業が不況を克服して豊かな生活を送るためには経済がどのように回ればよいのかを考え、グループごとに気づいたことを発表しました。
経済の動きに各主体が深く関係していることを理解できる授業でした。
(2)「自然災害とその防止について災害の仕組み、環境との関わりとお金の使われ方」(中学校3年生・理科)
理科の授業で、生徒は「土砂災害の仕組み」に関する実験などを行いながら、お金の使われ方についても学習しました。
まず、土砂災害が発生する仕組みを理解するため、水槽の中に用意した土砂の斜面に見立てた地形モデルに水を流し込む実験を行いました。水量や地形など条件の違いによって地形がどのように変化するのか実験し、雨量が多いほど土砂災害が発生しやすいことなどを学びました。
次に、土砂崩れによる被災を未然に防ぐ手立てとして有効な「ハザードマップ」の見方について学習しました。このハザードマップを作成するために必要なお金には国民の税金が使われていること、その使われ方の良し悪しを判断するのは国民であることを学びました。
この授業を通して、生徒は防災に対する心構えを持つとともに、一人の国民として税金の使われ方に関心を持つことの重要性についても気づくことができました。
2.講演会
パックンマックンより、「日米の金銭感覚の違いとコミュニケーションの大切さ」と題する講演が行われました。
コント仕立てで「社会人と子供のお金の入手の仕方には違いがあること」、「入手したお金は計画を立てて使う必要があること」、「お金について家族での話し合い(コミュニケーション)が大切であること」などについて楽しくお話を聞かせてくださいました。体育館に集まった1,300人を超える全校生徒からは大きな笑い声や歓声が上がり、大変興味をもってお話を聞くことができました。
日本ではコツコツと貯金してお金を「貯める」という感覚なのに対して、アメリカではお金を投資して「育てる」という感覚であり、お金を使って収入を増やすことや自分への投資を重視しているとのことでした。日米の金銭感覚の違いを、お二人のコンビの非対称性を生かしながら、わかりやすく紹介くださいました。
最後は、「お金と上手に付き合おう!」というメッセージで終了しました。生徒からは「とても楽しく学べた」、「日米のお金に対する考え方の違いが分かった」、「投資のイメージが優しくなった」などの感想が聞かれました。
3.報告発表
「金融や金銭の働きからキャリア教育・公民教育・防災教育をとらえる」と題し、これまでの金融教育の取り組みと成果について報告発表が行われました。
4.プログラム
- 9:55~10:45
- 公開授業
(1)「日本銀行の役割と好不況の関わりについて理解を深めるシミュレーションゲームによる学習」(中学3年生 社会科)
(2)「自然災害とその防止について災害の仕組み、環境との関わりとお金の使われ方」(中学3年生 理科) - 11:10~11:15
- 開会挨拶
青森山田中学高等学校校長 花田惇 - 11:15~12:15
- 講演「日米の金銭感覚の違いとコミュニケーションの大切さ」
講師:パックンマックン - 12:15~12:30
- 報告発表
「これまでの金融教育の取り組みと成果」
発表者:青森山田中学校教頭 生田勝幸
青森山田中学高等学校講師・アドバイザー 片石一成 - 12:30~12:35
- 閉会挨拶
青森県金融広報委員会副会長(日本銀行青森支店長) 勝浦大達