金融教育公開授業
2019年度 金融教育公開授業
山梨県金融広報委員会
山梨県立北杜高等学校
金融広報中央委員会
山梨/北杜市の実施報告
「金融教育公開授業 in 山梨(北杜高等学校)」(12月12日開催)
北杜高校は、峡北高校、峡北農業高校、須玉商業高校の3校の伝統を引き継いだ、総合学科、普通科を設置する新しいタイプの高校として、平成13年に開校しました。
「古教創真」を校訓とし、生徒の自己実現を目指した教育を行っています。
12月12日(木)に金融教育公開授業を開催し、3クラスでの公開授業、研究報告会、パックンマックンによる講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「クラウドファンディングについて」(2年生 公民科・現代社会)
「○○があればもっと学校生活が楽しいはずじゃないか?」というテーマで、クラウドファンディングを仮想体験しました。
これまでの授業で、学校において不便なことなどについて班ごとに話し合い、解決するためのアイデアを出して、それを実現するために必要な物と費用、実現したらどのような効果が見込めるかなどについてまとめてきました。
当日は、その成果について、班ごとにプレゼンテーションを行いました。そして授業の見学者も含めて、良いと思ったプレゼンテーションに対してスマートフォンのアンケートシステムを活用して投票(仮想投資)を行いました。
授業を通じて、目標や夢を実現するためにお金をどう活用していくのか、クラウドファンディングがそのための選択肢の一つであることを学びました。
(2)「社会保障制度」
まず、社会保障制度を、社会保険料を財源とするものと、税金を財源とするものに区分・整理し、負担と給付を通して社会保障制度が「所得の再配分機能」を果たしていることを学びました。
次に、キャッシュフロー表の見方の説明を受けたうえで、病気で働けなくなってしまった場合の生活について考えました。社会保障制度があることで安心して暮らせることや、そのための財源が必要で誰かが負担しなければならないことに気づくことができました。
最後に、社会保障制度は国によって家族依存型、政府依存型、市場依存型と様々なパターンがあり、それぞれにメリット・デメリットがあることを学んだうえで、自分が良いと考えるパターンとその理由について発表しました。
(3)「複利計算について学ぶ」
単利と複利の違いと特徴について、利率や期間を変えて実際に計算して学んだ後、車をローンで購入することを例に、各自が購入金額を設定して、5年後の元利合計を計算しました。
続いて、インターネットで各年代の平均年収を調べ、各自が設定した車の購入金額が適切な金額なのか、収支のバランスが取れているかを検討しました。実際に車を購入する場合には、そのほかのライフイベントなども考慮する必要があることも学びました。
2.研究報告会
金融教育研究校の委嘱を受け、まず生徒へのアンケート調査を行い、生徒に足りない力と付けたい力を把握しました。1年目は「金融に関する基礎的知識を習得する」ことを目標に、一人一実践を行いました。2年目は「習得した知識を将来に向けて活用していく実践的態度の育成」を目標に、家庭・公民・商業の3科目を中心に取り組むとともに、その他の教材が補助や教科として取り組むことが難しい場合は、総合的な探求の時間等を利用しました。これらの実践を踏まえ、「今後も、教科や学校行事の中で継続的に金融教育に取り組むことができるのではないか」、と報告しました。
3.講演会
パックンマックンから、「日米の金銭感覚の違いとコミュニケーションの大切さ」と題する講演が行われました。
まず、お金の入手方法、使い道、節約法について、生徒へ問いかけたり、生徒の笑いをとりながらわかりやすく説明してくださいました。
次に、日本ではコツコツ貯金する人が多い一方、アメリカでは投資する人が多いことを紹介したうえで、自分に投資することが必要なことについても教えてくださいました。
最後に、お金と上手に付き合うためには、Think(考える)、Talk(話す)、Plan(計画する)が大切ですと締めくくられました。
参加者からは、「お小遣い制でもらうお金とお手伝い制でもらうお金のメリット、デメリットがわかった」、「情報を得たり問題を解決するうえで、コミュニケーションが大切なことを、楽しみながら学ぶことができた」といった感想が聞かれました。
4.プログラム
- 13:10~14:00
- 公開授業
(1)「クラウドファンディングについて」(2年生 公民科・現代社会)
(2)「社会保障制度」(2年生 福祉科・社会福祉基礎)
(3)「複利計算について学ぶ」(3年生 商業科・課題研究) - 14:25~14:30
- 開会挨拶
山梨県立北杜高等学校校長 宮下誉夫 - 14:30~15:40
- 講演「日米の金銭感覚の違いとコミュニケーションの大切さ」
講師:パックンマックン - 16:00~16:45
- 研究報告会
「本校が取り組む金融教育について・実践事例の紹介」
発表者:山梨県立北杜高等学校教諭
今福幸子、岩間光治、坂口奈央、上村洋一 - 16:45~16:50
- 閉会挨拶
山梨県金融広報委員会事務局長 大森忠明