金融教育公開授業
2020年度 金融教育公開授業
千葉県金融広報委員会
千葉県立泉高等学校
金融広報中央委員会
千葉の実施報告
「金融教育公開授業 in 千葉(千葉県立泉高等学校)」(9月8日開催)
千葉県立泉高等学校は、平成24年に千葉県教育委員会より「地域連携アクティブスクール」の指定を受けました。「地域連携アクティブスクール」とは、「中学校で十分力を発揮しきれなかったけれども、高校では頑張ろうという意欲を持った生徒に、企業や大学など地域の教育力を活用しながら、『学び直し』や『実践的なキャリア教育』を行い、自立した社会人を育てる、新たなタイプの学校」です。
9月8日(火)に金融教育公開授業を開催し、3年生を対象にした公開授業を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
政治・経済の授業では、「他者と疑問点や問題点を共有し、協力してそれを解決できるようになること」「日常生活の様々な場面を政治・経済的な視点で捉え直せるようになること」「実際の社会で起こっている政治・経済に関わる出来事を分析的に捉えられるようになること」を通年の目標として掲げています。そのため、授業では、グループ協議活動を充実させています。また、生徒にとって日常的で些細な場面や常識的な感性と政治・経済の学術的理論との繋がり、ニュースなどで取り上げられる政治・経済的出来事と政治・経済の学術的理論との繋がりなどを意識した問題演習を日常的に行なっています。
本時では、「株式投資にチャレンジ」と題して、生徒自身が間接金融というかたちで既に図らずとも金融に関わっていることに気づかせること、資産運用のあり方について考えさせること、株価が日々社会で起こっている様々な出来事の影響を受けているということに気づかせることを目的に授業を行いました。
授業の前半では、間接金融と直接金融の違い、証券取引所の役割、株取引に関する基礎知識、低金利(マイナス金利)政策とNISAについて、図解や○×問題を用いてテンポ良く学習しました。
後半は、直近の株式市場での出来事を例に、株式投資が実際にどのようなものかを、実況中継とクイズ形式で学習しました。コロナウィルス禍のなか、医療用ガラスの製造には高度な技術が必要であり中国の製薬会社は輸入に頼らざるを得ないため、日本のある総合ガラス会社が中国で製造されるワクチン用のガラス瓶供給先候補としてインターネット記事に取り上げられました。このニュースにより株価がすぐに上昇したのは、その会社ではなく、相対的に株価が低く個人投資家などが買いやすい別の医療用ガラス専業のより規模の小さい会社で、8月21日から27日のわずか5営業日間で4倍に膨れ上がった事例を取り上げました。また、8月28日金曜日午後2時半頃の安倍首相辞任表明後に日経平均株価が下落したことを取り上げました。
生徒は、スマートフォンの支払いアプリ内の機能でポイントを運用したことがあったり、アニメやアイドルの限定グッズなどをフリマアプリで販売することで利益を得たことがあったりして、何らかの資産を運用することで利益を上げるということに一定の経験や関心があります。そのような生徒たちにとって、株式投資の長短両面を示して行われた授業は、日本銀行の低金利(マイナス金利)政策が続き、NISA制度が改革され、iDeCoの運用が本格的に始まった現代における投資のあり方について考える良い機会となったものと思われます。
2.プログラム
- 14:25~15:10
- 公開授業
「株式投資にチャレンジ」(3年生 政治・経済)