金融教育公開授業
2020年度 金融教育公開授業
山梨県金融広報委員会
山梨市立山梨小学校
金融広報中央委員会
山梨の実施報告
「金融教育公開授業 in 山梨(山梨小学校)」(10月22日開催)
山梨市立山梨小学校は、山梨市南西部の笛吹川右岸に広がる自然豊かな果樹地帯の中で、「人間性豊かに 心身ともに健康で たくましく学んでいく子供の育成」を学校教育目標として、意欲と活気に満ちた教育を行っています。
10月22日(木)に金融教育公開授業を開催し、3・4年生を対象とした公開授業と、菊地幸夫氏による講演会を行いました。
公開授業に際しては、新型コロナウイルス感染症への対応として、別室(サテライトルーム)での視聴も同時に行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「店ではたらく人と仕事」
販売の仕事については、消費者の多様な願いを踏まえ、売り上げを高めるための工夫が行われていることを理解することをねらいとしました。授業では、レシートに書かれている情報を読み取り、それぞれ気がついたことをタブレットやノートに書きだして、レシートの役割を考えました。レシートには、いつ、どこで、何を、いくらで買ったのか、消費税、支払方法、ポイントの情報のほか、返品・交換にかかる注意事項やお買い得情報なども書かれていることを知ることができました。これによって、レシートは販売の証明になる大切なものであること、売り上げを高める工夫が反映されたものであることを学ぶことができました。
(2)「ぶどうの値段のひみつをさぐろう」
生鮮食品の値段が決まるしくみを知り、高い値段がつくのはどのようなときかその理由を考えました。これまでの授業で、工業製品は手間がかかっているものは高い値段が付くことが多いことを学んできました。
授業では、同じ品物の2枚の写真を見比べながら、どちらの品物の値段が高いかクイズをしながら考えてみました。特産品のぶどうを題材に、良い品物には高い値段がつくことを学びました。また、良いぶどうを作るために、農家が多くの手間をかけていることを知ることができました。
2.研究発表
金融教育研究校の委嘱を受け、研究主題を「確かな学力の定着・向上を目指した指導の工夫」とし、金融教育の授業をとおして、よりよい生活のために主体的に判断し、工夫・実践する態度を育む授業の研究に取り組んできました。
1年目は、1年生の学級活動の中で、食べ残しや落とし物、壊してしまった物など、身近な題材を取り上げました。6年生から、6年間大切に使ってきた物を紹介してもらい、物やお金を大切にするには日常生活の中でどのような行動を取ればよいかを考えました。5年生の家庭科では、買い物をするときには購入しようとする物の品質や価格などの情報を集め、予算や目的にあったものを選ぶことが大切であることを学びました。また、売買の契約、支払いの方法、消費者トラブルの防止などについて考え、日常生活に生かせるようになりました。
2年目は、3年生の社会科では、「店ではたらく人と仕事」をテーマとして、商店の働きや役割を理解し、商店で働く人の工夫やねがいに気付くことをねらいとして取り組みました。4年生の総合的な学習の時間では、「ぶどうの値段のひみつをさぐろう」をテーマとして、物の値段が決まる仕組みを理解し、生産者の工夫やねがいに気付くことをねらいとした取り組みを行いました。
研究の成果として、金融教育をとおして主体的な学びの実現や各教科のねらいの達成にも効果があったこと、今後の課題として、金銭を扱う実践は校内の学習だけでは難しいため、家庭への啓発を行ったり協力を求めたりする必要があることなどを発表しました。
3.講演会
菊地幸夫氏から、「学校で教えないお金の話」と題して保護者と教員を対象とした講演が行われました。
若者の金銭トラブルとして、「未成年者が関わった特殊詐欺」や「クレジットカードのまた貸し」などの事例を紹介しながら、努力して一生懸命働くことの大切さ、お金儲けを目的として職業を選択することの危うさ、SNSで繋がることの危うさなどについてお話しくださいました。
犯罪の低年齢化が進む中、大人の正しい金銭感覚を子供に伝えること、我慢することやお金の怖さ(負の面)を早い段階から教えることも大事ですと話され、最後に倫理観が大切ですと結ばれました。
参加者からは、「SNSの利用は低年齢化しており、早いうちからお金の怖さについても教育していくことが大事だと分かった」、「正しい知識や金銭感覚、金融教育の重要性について認識した」、「お金に関係することは倫理の問題と大きく関わっており、家庭内でも話題にすることが大切だと思った」といった感想が聞かれました。
4.プログラム
- 13:50~14:35
- 公開授業
(1)「店ではたらく人と仕事」(3年生 社会科)
(2)「ぶどうの値段のひみつをさぐろう」(4年生 総合的な学習の時間) - 14:55~15:00
- 開会挨拶
山梨市立山梨小学校校長 中村勝 - 15:00~15:15
- 研究発表
「確かな学力の定着・向上を目指した指導の工夫」
発表者:山梨市立山梨小学校教諭 渡邉満智子 - 15:20~16:20
- 講演「学校で教えないお金の話」
講師:菊地幸夫氏 - 16:25~16:30
- 閉会挨拶
山梨県金融広報委員会事務局長 主藤和巳