2022年度 金融教育公開授業 金融・金銭教育協議会

「金融教育公開授業 in 岡山（津山中学校）」（12月7日開催）

本校は、岡山県の県北初の併設型中高一貫教育校として平成27年に開校し、今年度で8年目を迎えました。本校では、合言葉として「Be a Challenger～可能性への挑戦～」を掲げ、結果を怖れることなく様々なことに果敢に挑戦し、困難を乗り越え、高い目標を達成することを目指しています。特色ある授業にも取り組んでおり、高い英語力を身に付けることができる「“イングリッシュ”ロード」、実験や演習を通して科学の基礎を学ぶ「サイエンス探究基礎」、物語を考えたり、ディベートに取り組んだりしながら、論理的思考力と表現力を身に付ける「エクスプレッション」、フィールドワーク、職場体験学習や課題研究などに取り組む「課題探究活動」を行っています。さらに、高校生との交流も行っており、体育祭では、中学校1年生から高校3年生までが学年をこえて活動したり、部活動においても中学・高校がともに活動したりするなどの異年齢交流も行っています。

令和3年度からの2年間、岡山県金融広報委員会から金融教育研究校の委嘱を受け、生徒が主体的に社会と関わり、公正な意思決定をする力を身に付けることを目標に金融教育を実践しています。

3年生を対象に、金融教育公開授業（12月7日）と、飯田泰之氏による講演会（12月8日）を行いました。

▼ 参加者内訳：

1．公開授業

授業では「租税の在り方について考えよう」と題して、2クラス合同で「所得税と消費税はどちらがより公正公平で、今後所得税と消費税の割合をどうしていくべきか」をテーマに討論しました。

生徒は、租税の基本的な事項を学んだ後、ワークシートに所得税と消費税はどちらがより公正公平かについて自分の考えを記入するとともに、それぞれの税の長所と短所を調べてまとめました。

本時の討論では、生徒自身の考えとは関係なく、Ａ組は消費税、Ｂ組は所得税について長所と短所を自由に述べあいました。生徒たちからは「税収の安定性」、「逆進性や格差が広がる問題」、「景気への影響」、「労働意欲との関連性」、「憲法第14条や25条との関連性」、「インバウンドによる税収」などの観点からさまざまな意見が出されました。討論会の途中では、4人組の班で意見交換をする機会を複数回設定し、すべての生徒が発言できる場を作ることで、各自が問題意識を深掘りできるよう工夫しました。

　後半は、中国税理士会津山支部の税理士である磯山淳氏から、討論会の講評と税に関してご講話いただきました。磯山氏からは、討論会で話し合われた多くの論点について税理士の視点から詳細に解説いただいたほか、直接税と間接税などの税の特徴や税金の使途、外国の税制事例などについてお話していただきました。

討論会を通して、生徒たちからは「各税には長所と短所があるが、観点によって長所と短所が変わりうることに気が付き、広い視野をもって物事をとらえることの必要性を学んだ」、「自分には難しそうと思ったことに興味を持たない姿勢を改め、今後は主体的にいろいろなことを調べてみたい」といった意見がきかれました。討論会で発表できなかった生徒も、他の生徒の意見を理解しようとする中で刺激を受け、今後の税制度の在り方を主体的に考えることができた様子でした。

2．プログラム

10：30～12：10

公開授業
「租税の在り方について考えよう」（3年生　社会科）