金融教育フェスタ
親子のためのおかね学習フェスタ2013
子どものためのおかねのおはなし会
講師 : あんびる えつこ 氏(生活経済ジャーナリスト・「子供のお金教育を考える会」代表)
「パン屋さんゲーム」に挑戦しよう!
いま私たちの住んでいる社会は、みんなで仕事を分担し合い、効率よく作業をすることで成り立っています。例えばパン屋さんがパンを専門に作り、洋服屋さんが洋服を専門に作ることで、世の中はうまく動いています。
しかし、パン屋さんがパンばかり焼いていては生活ができません。家が欲しい場合には家づくりが得意な大工さんに頼み、洋服が欲しい場合は洋服屋さんに買いに行くことになります。パン屋さんはパンを焼き、それを売ったお金で自分の欲しいものを手に入れることができるのです。
では、もしこの世の中にお金というものがなかったら、どうなるでしょうか。物々交換という方法に頼らざるを得なくなります。パン屋さんが家を建てたいと思えば、たくさんの大工さんの中から、パンと家とを交換してくれる大工さんを探さなければなりません。そんなピッタリの大工さんを探すのは大変です。そのために、誰もが欲しいと思う物が必要になります。それがお金なのです。このように、お金には交換する相手を捜さなくてすむという機能があります。また「これはいくらです」と金額を表示しておけば、「交換する度に値段を相談せずに済む」という物の価値を測る役割も持っています。さらに、パンは保存して取って置くことは難しいですが、お金ならためておくことができます。つまり、お金には「物を交換する機能」「価値を測る機能」「価値をためる機能」という3つの大事な機能があります。
みなさんのおうちにあるお金は、おうちの人が誰かのために働いてお金に交換してきたものです。そのお金は、また誰かに何かをしてもらうための大切なもの。『お金を大事にしなさい』には、そうした意味が含まれているのです。
プロフィール
新聞社で生活経済記事を担当しながら、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。出産を機に退社後は、家庭経済の記事を新聞や雑誌に執筆。講演活動も積極的に行う。近著に「『お金』のしつけ~子どもの『困った行動』に親はどう対処すべきか?」。「子供のお金教育を考える会」代表