金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2009
教員向けセミナー 実践報告
今井 敬氏(愛媛県立東温高等学校教諭 商業科科長)
「金融教育を日々の営みへ」
~毎日発行する『商業科通信』は感性、学力、生きる力、道徳など
総合的な教育の原点~
金融教育とは「生きる力を養うための教育」ということですから、「毎日、きちんとしたことをきちんとする」という積み重ねが、その基礎になると思っています。そこで本校では、毎登校日、「商業科通信」をプリントし、ショートホームルームの時間に生徒に配っています。この通信には各学年2クラス・3年の全240人の生徒、一人ひとりの考えや先生の意見などとともに、「知るぽると 消費生活講座」として、金融広報中央委員会からいただいた資料を載せています。
これによって金融の情報を知るだけでなく、自分以外の生徒の考え方、立場がわかります。また、自分が担当の日に書くのを忘れると、忘れたことが全生徒にわかってしまうので、手を抜いたらアカンという気持ちにもなります。
この毎日の積み重ねと並行して、金銭教育、金融や経済の仕組みに関する学習、消費者教育、職業観の育成などの授業を進めています。教材として使うのは「10代のためのマネー入門」、「きみはリッチ?」、「ビギナーズのためのファイナンス入門」、「これであなたもひとり立ち」(以上、金融広報中央委員会)、「10代から学ぶパーソナルファイナンス」(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会)、「そんぽのホント」(日本損害保険協会)です。こうした教材はわかりやすく書かれていて、総合的な学習の時間の教材としても生徒たちに好評です。
職業観の育成の授業では、職業人としての能力向上、電話の使い方、近隣の企業をお招きしての名刺交換会、大学との連携による講座、販売実習、企業見学、「商い甲子園」などに取り組んでいます。特に「商い甲子園」では、「現物ではなく、物語を売れ」と伝えています。
商業科通信は1年間で2センチくらいの厚さの小冊子になります。感性、生きる力、金融、学力(雑学)、道徳、コミュニケーション能力などにわたる総合的な教育の原点となっていると思います。