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金融・生活シンポジウム2003

どう変わった?暮らしとお金~金融ビッグバンがもたらしたもの~

パネルディスカッション

(3) これからは人任せにできない、自己責任の時代

荻野 ペイオフのことは皆さんすごく関心があると思いますが。

荻原 今、定期預金は元本1000万円とその利息までは保護されています。それから普通預金に関しては今のところは全額保護になっています。それと金融機関が実際に潰れてすぐお金が出てくるかというと、出てこないこともあります。

本当に必要で、常に商売で出し入れしなければいけないお金は、定期ではなく普通預金に、それとも郵便局の振替口座に入れておく、そういう注意をちょっとしておくといいと思います。

山口 ちょっと付け加えますと、相殺条項というのがありますから、もし本当に心配ならば預金を預ける先と、お金を借りている先を一緒にするという方法があります。借りている額で相殺されて預金が1000万円以下になれば大丈夫です。

パネルディスカッションの全体写真2


それよりも、これからペイオフが本格化して金融機関の再編成がおきると、中小企業などが予定していた借入れが急にできなくなるなど、資金調達面で不安定な状況が出てくることを心配しておいたほうがよいと思います。

ペイオフということでアメリカがよく例に出されますが、アメリカではペイオフを実際にはほとんどやっていません。アメリカは元々預金規模の小さな銀行が多くて、そういう銀行ではペイオフの上限である10万ドルを超えるような大口の預金がほとんどないのです。

まれにペイオフの対象になる銀行はそういう銀行ですから、ペイオフが実施されてもほとんど影響がないわけです。もちろんそれでもめったにやらないのがアメリカです。預金の3~4割が消えてなくなるようなペイオフを行っているような国はありません。そんなことをしたらパニックになります。

大石 ペイオフはあまり考えていませんが、借入先をどこにするかについては、十分考えて選びます。長期的に信用して付き合える金融機関かどうかということについては、しっかり考えます。合併や統合があった時に不利になる危険性もあるからです。

荻野 自己責任論はどう考えるのが正しいのでしょうか?

山口 例えばさきほどのペイオフの話でいいますと、金融機関が倒産して、お金が戻ってこなかったときに、そのような金融機関を選んだあなたが悪いのだから自己責任でしょ、と言われても、その銀行がどの企業に貸してるか、その企業が倒産する確率がどのくらいあるか、それらのことを分かって銀行に預けることは我々には不可能なわけです。

自己責任といっても、それはちょっと言い過ぎでしょ、というケースもかなりあるように思います。

ただ、かなり利回りの高い商品でひと儲けしようかというときは、大体リスクが高く、そういうものに関しては自己責任で行うのであって、あとで説明が不十分だったと言っても通用しない時代になりました。

荻原 自己責任とは、ある程度知識があっての自己責任なのです。ですから投資するときには自分で勉強して納得して行うのが基本で、人が勧めるから投資するというのはもう通用しない時代になったということです。

荻野 アメリカはどうでしょう。

大石 基本的に徹底した自己責任の国です。それが行き過ぎると嫌味なところはあるんですが、もう少し日本も、自己責任で生活力をつけていくべきだという気がします。

アメリカは基本的に税金の計算は自分で行うので、年間に払っている税金が分かります。そうすると、この税金が無駄遣いされているかどうかということに非常に敏感になります。不動産については、アメリカは、ほっといても土地が値上がりするということはないので、資産価値としての家を綺麗にします。自家を完全に自己責任の投資対象としてみている感じで、それによって、自分で判断する癖はつくという気はします。

荻野 何でもアメリカというのは、自分自身も抵抗があるのですが、金融教育は明らかにアメリカのほうが進んでいると思いますが。

山口 現状のアメリカの消費者を見ていると、これほどどんどんモノを買う人たちが多い国も少ないのではないかと思います。基本的にはお金が入ってくれば使います。結果的に自己破産が、ものすごい規模で発生しています。逆にいうと、それでは困るので、子どもの時からしっかり教育をやらないといけないという反省を込めているのではないかと思います。

大石 私もアメリカに全部賛成ではなくて、日米両方が歩み寄る余地が結構あるのではないかなと思います。

荻原 ところが今は、日本もアメリカ型になってきています。ここ数年の傾向をみてみると、日本人の貯蓄率はかなり下がってきている。ドイツよりかなり低い。これは一つは借金に抵抗がなくなってきたということです。

ところが、ほとんど教育を受けないで、利息を払わなければいけないということも分からないまま、カードを使っている人もいます。借金はそんなにしちゃいけない、ある程度蓄えも必要であると、もう一度戻って教育しないと、アメリカのような道を辿っていくのではないかと思います。

大石 借金はすごく怖い話で、大人の話でもあると思うのです。たとえば銀行のキャッシング、実はすごく利率が高いとか、不動産の広告で、頭金ゼロで今払ってる家賃より安い返済で買えますよというのがあります。

でもあれは、その分利息が乗るわけです。今頭金を払わなくても、トータルの金額がすごく多くなります。利息が加わると、どういうことになるのかという教育は必要だと思います。

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