金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2009
教員向けセミナー ワークショップ
いちのせ かつみ氏 (FP/生活経済ジャーナリスト)
「世界一おもろいお金の授業!必要なモノと欲しいモノ」
「お金の使い方で人生が決まる」-「どう使うか」を教えることこそ大切
私は1年間に保育園から大学まで、全国40~50校を回り、お金のことを教えていますが、お金のことは、小さいから知らなくて、大きいから知っているということではないと感じます。そういう面では金銭教育、金融教育は基礎を教えるものではないかと思います。
子どもが好きなものにコンビニがありますね。コンビニは入ると通路が、人が回りやすいように左回りをするようになっています。入り口には新聞や雑誌などとともにカゴが置いてあり、右利きの人が多いですから、カゴを左手に持って回ると、モノを入れる右手は壁側を向きます。この壁側に弁当、ジュース、ビールなど、コンビニが特に買わせたいものが並んでいます。同じように子どもが買いたくなるお菓子などは、子どもの目線に合わせて下の方に並んでいます。しかも、そうしたお菓子は価格も20円とか30円とか安いですから、親も「まあ、しゃあないわ」と買ってしまう。
ここで考えてもらいたいのが、「欲しいモノ」と「必要なモノ」は違うということです。
全国のコンビニの売上高は百貨店の売上高を抜くほどです。それだけコンビニには、いかに買いやすい仕組みにするかが集約されています。企業は、この欲しいモノを、いかに一つでも多く買ってもらえるかという知恵比べをしています。
また、小学生から大学生までが好きなものに携帯電話があります。メール、着メロなど、たくさんの機能が付いています。私の授業では、生徒にそうした機能を、使うとお金のかかるもの、かからないものに分けてもらいます。次に優先順位を付け、さらに毎月5,000円払うと、10年間ではいくらかかるか、それを積み立てれば、いくらになるかのシミュレーションをしてもらいます。
私は今日、ここでしましたように、実際にコンビニでお菓子や鉛筆を買って来て、ポケットから取り出し、生徒に「どれが欲しいですか」と選んでもらったり、世界のお札(紙幣)を手に取ってもらうなど、“リアリティーとサプライズ”を意識して授業をしています。金融教育や金銭教育は答えのない授業です。なぜなら、「お金持ちになったら幸せ」というわけではないからです。「お金の使い方で人生が決まる」のであり、「どう使うか」を教えることが大事ではないでしょうか。
プロフィール
全国各地で金融教育、金銭教育の講演活動を行う。ユーモアあふれる語り口調で、大人も子どもも楽しく学べる講演が評判。平成15年、自転車で日本を縦断し、金銭教育普及のためのボランティアセミナーを各地で実施。
- 出演番組:フジ銀行芸能人貸付係(フジテレビ)、親と子のTVスクール(NHK教育)、儲かりマンデー(TBS)
- 著書等:親子で学ぶ!マネーの法則DVD版、ファイナンシャルプラン設計事例集(日本法令)、日経マネー、あるじゃん、各種新聞 他
