金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2009
金融教育セミナー 東京会場
財団法人消費者教育支援センター
主任研究員 : 中川 壮一氏
「ロールプレイやゲームで学ぶ消費者トラブル」
契約内容の確認を。突然の訪問販売、点検商法はきちんと断る
消費者教育支援センターは消費者教育に関する調査研究や教材資料の開発、シンポジウムの開催、学校の教員や消費者リーダー、企業、行政の担当者への研修、情報の提供などの活動をしています。私はセンターで約10年、研究員をしておりますが、今日はロールプレイやゲームをしながら、いろいろな消費者トラブルに気づいていく手法を紹介したいと思います。
まず、若者に関するトラブルの例として、中高校生の携帯電話の利用について取り上げます。このセミナーの主催者でもある金融広報中央委員会の調査によると、メール、電話、時計・アラームのほかにもウェブサイトを見る、写真を撮る、音楽を聴くなど、さまざまなことに利用していることがわかりました。そこで、中高校生の利用実態についてグループで考えてもらいましょう。
次に、「ケイタイで高額請求!」というロールプレイを皆さんにしていただきたいと思います。
登場人物は、女子高校生、父、携帯ショップの店員、携帯電話会社のオペレーターで、場面は携帯ショップです。このロールプレイでわかるように、例えば、パケット通信の定額制といっても、パソコンにつないでモバイル通信をしたり、海外で使った場合は対象外になることがありますから、契約するときにきちんと説明を求めて下さい。
高齢者のトラブルでは、一人暮らしになって寂しかったり、お金の心配や健康に不安を持つ人が多いので、そこにつけこまれることも少なくありません。「お隣近所もやってますよ!」というロールプレイでもわかるように、点検商法、訪問販売によるリフォーム工事、次々商法、過量販売などに対しては、言葉巧みにセールスをもちかけられても、即決はしないことが肝心です。工事などは家族と話し合って、複数の見積もりを取ること、そして何よりも、きちんと断ることが大事です。
ロールプレイは役割演技と訳されますが、今回のような販売業者とのやりとりを考えるほかにも、友人や上司などの誘いをうまく断る方法をトレーニングしたり、カウンセリングなどにも使われています。トラブルに巻き込まれないように、消費者自身が気をつけるとともに、家族や田舎にいるおじいちゃん、おばあちゃんにも気を配ったり、困った時には消費生活センターなどに相談するようにしましょう。
(財)消費者教育支援センターとは
消費者教育に関する調査研究や教材資料の開発、シンポジウムの開催や機関誌「消費者教育研究」の発行などを通じて、学校の教員や消費者リーダー、企業や行政の啓発担当者向けに、消費者教育に関する情報の提供などを行っています。
