金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2009
金融教育セミナー 東京会場
(財)日本消費者協会
教育企画部 教育課長 : 佐伯 美智子氏
「消費者が準備したい葬儀費用と最近の葬儀事情」
納得のいく葬儀のためには、よい葬儀社選びが一番
日本消費者協会は、ある団体から消費者が葬儀をどう考えているかについての調査依頼を受け、約20年前から3、4年に一回、全国規模でアンケートを実施しています。本日は、その結果をもとに、消費者の立場からみた葬儀についてお話しさせていただきます。
「葬儀の費用がどのくらいかかるか」が、何年も変わりなく消費者の知りたいことの断然一位です。これは、地域社会の崩壊、少子化、単身で生活している人が増えていることなどで、葬儀を隣近所が協力して行うということがなくなってしまったことが影響していると考えられます。
2007年の調査では、葬儀社に支払った費用の平均額は142万円、会場費、返礼品、料理代、お寺へのお布施なども含めた葬儀全体では平均231万円です。ただ平均142万円といっても、350万円~50万円未満まで幅があります。ある葬儀社の例では、葬儀社に80万円払うとすると、約30万円が祭壇で、あとは柩(ひつぎ)、霊柩車、供花、遺影の写真、死亡届の代行、人件費などです。
最近の葬儀は家族葬、お別れの会、無宗教、火葬だけを行う直葬などさまざまです。因みに1999年は94%が仏教形式でしたが、2007年には初めて仏教形式が9割を割っています。仏教形式の葬儀は、香炉と燭台、花立ての三具足を用意し、その前でお経をあげていただくという形が基本です。
今、話題の直葬でも、ご遺体を柩にお納めし、火葬場の予約をしなくてはなりませんから、葬儀社に依頼することになります。直葬の費用は、葬儀社の広告などによると、だいたい、5、6万円~20万円弱で、火葬炉の前でお経をあげたり、お花を贈るなどの内容によって差があります。
埋葬についても、最近は壁面墓地、合葬墓、永代供養墓、また1つのビルにお寺、葬儀場、お墓が全部入っているという施設もあります。墓は作らないという選択をされる方もおり、遺骨をペンダントになさる方もおられます。
葬儀業者の種類は非常に多く、生協、JA、花屋、仏壇屋なども参入しています。どのような葬儀をしたいのかを葬儀社に伝え、丁寧に対応し「送る側の気持ちをくんでくれる葬儀社」を探していただきたいと思います。
(財)日本消費者協会とは
昭和36年9月、消費者への啓発活動を主な目的として、経済産業省により設立されました。誰もが安心して消費生活をおくるための情報提供、啓発講座、人材育成、無料の消費者相談などを行っています。
