金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2009
金融教育セミナー 東京会場
(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
経済市民教育推進グループ 消費生活アドバイザー : 田村 夏子氏
「見えないお金賢く使って、賢く管理~リボ払いってなぁ~に?~」
残高に対して毎月手数料、分割払いと比べても大きな差
私ども経済市民教育推進グループは普段、主に高校生向けにクレジットカードや税金などの金銭教育を行っています。今日はクレジットカードによるリボ払い(リボルビング払い)についての講座ですが、日本では3億859万枚のクレジットカードが発行され、2008年末の利用額は30兆円で、対前年比で7%増えています。クレジットカードで買い物をした時の支払い方法は大きく分けて、翌月一括払い、ボーナス一括払い、分割払い、リボ払いの4つがあり、このうちリボ払いはあらかじめ毎月の支払い額を決めて払う方法で、この利用残高は大手カード会社5社だけで7,400億円に上り、対前年比で15%も伸びています。
それに伴い、国民生活センターに寄せられるリボ払いに関するクレーム・相談も2007年度、2008年度は2005年度に比べて3倍になっています。内容は「入会時に勝手にリボ払いにさせられた」「手数料のことは知らなかった」「元金と手数料の区別がつかめない」「仕組みがわからない」などです。
ここで皆さんにリボ払いを体験していただくために3名の方にご協力頂きます(家電量販店で、12万円の液晶テレビをAさんは毎月1万円のリボ払いで、Bさんは1回1万830円・12回の分割払いで購入。5カ月後、5万円の礼服をAさんは1万円のリボ払いのままで、Bさんは1回1万322円・5回の分割払いで購入。Aさんの合計支払額18万7,063円に対して、Bさんは18万1,005円と6,058円の差が出る寸劇を実施)。
リボ払いは大きく分け、定額方式、定率方式、残高スライド定額リボルビング方式の3種類があり、定額は毎月一定額を払う。定率は残高に対してあらかじめ設定された割合で払う。残高スライドは、A社の場合ですが、残高が10万円までは、あらかじめ決められた額を払う、残高が10万円以上になると残高が5,000円増えるごとに、月々の支払いが1,000円加算される方式です。
いずれの方式でも、リボ払いは毎月の締めの日の残高に対して手数料がかかります。例えば12万円の商品を年利14.5%で購入すると、最初の月の手数料は12万円に対して1,450円で、1万円を払うと、手数料を引いた8,550円を返済したことになり、残高は11万1,450円になります。翌月の手数料は、この残高に対する年利14.5%の1,347円で、1万円払うと8,653円を返済したことになります。
一方で、あらかじめ支払い回数を決める分割払いの場合は、購入した商品代金に対して手数料がかかります。
もし、リボ払いを利用される時は、支払い方式を確認すること、残高を把握すること、手数料をまめにチェックすること、余裕資金がある時にまとめて返済することという4つの点を心得て下さい。とくに手数料については、カード会社からの通知だけで変更になることがあるので注意して下さい。リボ払いを含め、金融サービスは仕組みを理解し、本当に自分にメリットがあるかを確認して使いましょう。
(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会とは
経済産業省の許可を受け1988年(昭和63年)に発足しました。会員は主として消費生活アドバイザーと消費生活コンサルタントによって構成され、消費者問題の専門家として幅広い活動を行なっています。
