金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2009
金融教育セミナー 東京会場
(社)金融財政事情研究会
ファイナンシャル・プランナー : 新倉 由紀氏
「ライフプランとファイナンシャル・プランニング」
長期投資と長期保有は別、半年から1年ごとにチェックし、メンテナンスを
私は楽しく貯めて、使うところは使うという人生を目指していますが、お金を貯めるには、何のために、どのくらい必要かを明確にすることが大切です。そのためには、まず、留学したいとか独立開業したいとか、マイホームを持ちたいなどの目標や希望を、具体的に書いてみることから始めましょう。さらに正月など、時間のある時にご夫婦で話し合って、家族のライフイベント表を作って下さい。
イベント表には何年に子どもが小学校に入るとか、お嬢さんは私立中学校に行かせたいといった計画とともに、教育費はいくらで、それには何年間でこれだけ貯める必要があるという金額も記入すると、より具体的になります。
目標金額を貯めるには、現状の把握が必要です。多くの方に「昨年の収入はいくらでしたか」と聞きますと、すぐに答えるのですが、「では、いくら使いましたか」と聞くと、大概の方が答えられません。家計簿をつけていれば答えられますが、忙しくてつけられない方は次のような方法で計算して下さい。
給与から所得税、住民税、社会保険料を差し引いた可処分所得から、主な支出項目である基本生活費、住居費、教育費などや一時的な支出を引きます。そうすると、何に使ったのかわからない“家計における使途不明金”が出てきます。これはレシートを1週間とか1カ月、取っておき、不要なものにマーカーをすれば削減できます。ただし削減しようと我慢し過ぎると、リバウンド(反動)が来ますから我慢し過ぎないことも大事です。
お金を増やすための金融商品は、安全性、流動性、収益性の3つの観点から選びます。金利の変動に対しては、一般的に高金利の時には長期の固定金利商品、低金利の時には短期の商品、金利の上昇局面では短期か変動金利型の商品、下降局面では中期の固定金利の商品が考えられます。
若い方は時間を味方につけ、長期の積み立てで、資産を作ることができます。1万円くらいから積み立てができる商品もありますし、ある特定の株を一定期間ごとに、一定金額ずつ購入するという方法もあります。ただ、株価が下がりっぱなしの銘柄の購入は早く止めなくてはなりません。
一般的に投資は長期で行いましょうと言いますが、長期投資と長期保有は違います。成長しない資産や成長しないマーケットの金融商品は売却したり比重を落とすなど、半年か1年に1回、チェックしメンテナンスをしましょう。
(社)金融財政事情研究会とは
1950年設立の金融庁、財務省、文部科学省共管の公益法人で、ファイナンシャル・プランニング技能検定を実施する厚生労働大臣指定試験機関です。金融・財政、金融法務に関する各種研究会、検定試験、雑誌、書籍、セミナー等を企画、製作、実施しています。
