金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2009
金融教育セミナー 東京会場
日本証券業協会
証券あっせん・相談センター所長 : 飯島 一夫氏
「トラブルの無い金融商品取引を行うための基礎知識」
『営業マンが言ったから買った』ではなく、金融商品について勉強し、理解を
皆さん、日本証券業協会の証券あっせん・相談センターをご存じですか。当センターは協会の自主規制業務の一環として、株式、債券などの有価証券の売買・取引に関する紛争の実効性ある解決と未然防止に取り組んでいます。この他にも、お客様からの苦情・相談に対応するとともに、あっせんの申し立てがあった際には、公正中立で専門的知識を持つ弁護士をあっせん委員として立てて、話し合いによる和解を目指すことで、低コストで迅速な解決を図っています。
また、当センターは、2008年6月にADR促進法(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律)に基づく法務大臣による認証を取得いたしました。このADR促進法に基づく認証制度は、紛争解決の利用者に選択の目安を提供するためのものであり、仮にあっせんが不調に終わっても、あっせん申立ての時期に時効の中断効を遡及することや訴訟継続中に訴訟を中止して、あっせん手続きを利用することが可能となりました。
こうしたことから、あっせん手続きについて、一層安心して当センターをご利用いただけるようになると考えています。
最近の案件では、特別会員である銀行の窓口販売による投資信託に関するものや、高齢者、女性からのものが増えています。特に、未公開株の勧誘に伴うトラブルについては、私共もコールセンターや情報連絡網を整備したり、ホームページなどで注意を喚起したりしていますが、苦情や相談が跡を絶ちません。本日はご参加の皆さんには「30%、40%などという高利回りの金融商品はない」ということを改めてお伝えしたいです。
さらに金融商品取引法により、金融機関には契約を結ぶ前に書面を交付することが義務づけられていますが、皆さんは、契約前に渡される書面をご覧になったことがありますか。また、金融商品の広告に書かれているリスクについての記述もきちんとお読みになったことがありますか。「営業マンが言ったから買った」ではいけません。証券会社の店頭には、金融商品取引法を分かり易く説明した資料がありますから、是非ご覧いただき、分からないことは何でも質問してみてください。そして、理解できないものは買ってはいけません。
当センターでは、証券会社とお客様との間での紛争に関する未然防止、再発防止に役立てていただくために、証券会社に対して「あっせん事例集」を取りまとめて周知するとともに、本事例集を参考にして証券会社の研修資料として利用いただくくよう、お願いしていますが、皆さん自身も自分のお金のリスク管理をされるとともに、当協会が企画する証券知識の普及啓発イベントなども利用して、金融商品に対する理解を深めていただければと思います。
日本証券業協会とは
金融商品取引法の規定に基づく認可金融商品取引業協会であり、協会員(会員、店頭デリバティブ取引会員及び特別会員)の行う有価証券取引等を公正かつ円滑にし、金融商品取引業の健全な発展を図り、もって投資者の保護に資することを目的としています。
