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知っておきたい!マイナンバーカード

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急経済対策として実施された「特別定額給付金」の申請にあたっても話題となった「マイナンバーカード」。
本年9月からは、マイナンバーカードを活用した、上限5,000円分の「マイナポイント」の付与も開始され、注目を集めています。
ここでは、マイナンバー制度やマイナンバーカードの仕組み、申請方法、セキュリティ、マイナポイントなどについて、Q&A形式で解説します。

Q1. マイナンバーとは、そもそもどういうものですか?

A1. 日本に住民票を持つ人(外国人を含む)が、1人につき一つだけ持つ12桁の番号で、原則として生涯同じ番号を使用します


従来は、国の行政機関や地方公共団体などが、それぞれ独自の番号(住民票コード、基礎年金番号など)で個人の情報を管理していたため、私たち利用者は、別々の機関から複数の書類を取り寄せたり、機関ごとに申請が必要だったりと、行政の効率化と国民の利便性向上の両方に改善の余地があると言われていました。

そうした中、2013年5月に「行政続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)」が成立し、2015年10月から各人に、社会保障、税、災害対策の3分野で横断的なマイナンバーが通知されました。

マイナンバーにより、必要な添付書類が減り、行政側も莫大な書類を見る必要がなくなり、複数の機関に存在する個人情報を確実かつ迅速に確認することが可能になったのです【図表1】。

【図表1】マイナンバーの役割

マイナンバーは社会保障・税・災害対策分野の中で法律で定められた行政手続きのみに使用できる

社会保障
  • 年金の資格取得や確認、給付

  • 雇用保険の資格取得や確認、給付

  • 医療保険の給付の請求

  • 福祉分野の給付、生活保護 など

  • 税務当局に提出する申告書、届出書、調書などに記載

  • 税務当局の内部事務 など

災害対策
  • 被災者生活再建支援金の支給

  • 被災者台帳の作成事務 など

  • このほか、社会保障、地方税、災害対策に関する事務やこれらに類する事務で、地方公共団体が条例で定める事務にマイナンバーを利用することができる。
(出所)
内閣府「マイナンバー 社会保障・税番号制度 民間事業者の対応」(令和2年3月版)を基に監修者作成

Q2. マイナンバーカードは何に利用できますか?

A2. 本人確認の手段として対面、オンラインで幅広く利用できます


マイナンバーカードは、マイナンバー制度に基づき原則無料で交付されます。プラスチック製のカードの表面には顔写真と氏名、住所、生年月日、性別が記載され、裏面には、12桁のマイナンバーが記載されています。

以下では、マイナンバーカードのメリットをご紹介しましょう。

まず、マイナンバーカードは、本人確認の身分証明書として使えるため、未成年者や運転免許証を返納した人などには、心強い存在です。また、金融機関の口座開設やパスポートの発給など、マイナンバーの証明と本人確認が必要な場面では、1枚でその役割を果たせる唯一のカードとなります。

二つ目は、マイナンバーカードを利用して、オンラインで行政手続きをしたり、政府が運営する「マイナポータル(子育てや介護などの行政手続きがワンストップでできるオンラインサービス)」にログインできることです。

三つ目は、一部のオンラインバンキングや証券口座の開設、住宅ローンのオンライン契約などの民間取引にも、マイナンバーカードの活用が進んでいることです。

四つ目は、複数のカードをマイナンバーカードに一体化できることです。例えば、印鑑登録証や図書館の貸出カードなどとして利用可能なケースがあります。詳しくはお住まいの市区町村に確認しましょう。

最後は、コンビニエンスストアなどで、住民票の写しや印鑑登録証明書などを簡単に取得できること(コンビニ交付サービス)です(コラム参照)。

コラムマイナンバーカードを使ってコンビニで住民票を発行してみた!

発行可能時間:6:30~23:00まで(12/29~1/3を除く)

  1. 「マルチコピー機」のメニュー画面から「行政サービス」をタッチ。
  2. マイナンバーカードを設置場所にセット。
  3. 4桁の暗証番号(注)を入力。
  4. (注)
    「Q5マイナンバーカードの電子証明機能とは何ですか?」で解説。
  5. マイナンバーカードを取り外し、「住民票の写し」を選択。
  6. 交付種別(本人・世帯全員・世帯の一部)を選択、証明書の記載項目の有無(世帯主・続柄の記載、本籍地の筆頭者・個人番号)と発行部数を入力。
  7. 手数料300円を支払い、「プリントスタート」をタッチ。手順にしたがい手続きするだけで数分で発行完了!

Q3. マイナンバーカードは持たなければいけないのですか?

A3. カードの取得はあくまで任意です


マイナンバーカードの取得は、あくまで国民一人ひとりの任意です。実際、2020年9月時点で発行済みのカードは約2,469万枚と、人口に対する普及率は19.4%にとどまっています。

ただし、マイナンバーの「通知カード」(薄緑色で紙製)の新規発行、再交付などの手続きは2020年5月25日をもって廃止となりました。引き続き、手元にある通知カードは「マイナンバーを証明する書類」として利用できますが、住所などに変更があった場合は、マイナンバーカードを発行するか、マイナンバーを証明する書類が必要な都度、マイナンバーが記載されている住民票の写しまたは住民票記載事項証明書を提示する必要がある点には注意が必要です。

Q4. マイナンバーカードの申請方法を教えてください

A4. 4つの方法で申請することができます


マイナンバーの通知カードに付属されていた「個人番号カード交付申請書」を手元に準備し、パソコン、スマートフォン、郵便、街なかの証明用写真機のうち、いずれかの方法で申請しましょう【図表2】。

【図表2】マイナンバーカードの申請方法

  • 顔写真は6か月以内に撮影したものを使用する。
パソコンで
  1. 交付申請用WEBサイト(マイナンバーカード総合サイト)にアクセス。
  2. 画面にしたがって必要事項を入力し、顔写真の画像データを添付して送信。
スマートフォンで
  1. 交付申請書のQRコードを読み込み、交付申請用WEBサイトにアクセス。
  2. 画面にしたがって必要事項を入力し、顔写真の画像データを添付して送信。
郵便で

  1. 交付申請書に署名または記名、押印し、顔写真を貼り付け。
  2. 交付申請書を送付用封筒に入れて、郵便ポストに投函。
証明用写真機で

  1. タッチパネルから「個人番号カード申請」を選択し、交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざす。
  2. 画面の案内にしたがって必要事項を入力し、顔写真を撮影して送信。
(出所)
内閣府「マイナンバーカードの申請方法」を基に監修者作成

紛失などにより、交付申請書が手元にない場合は、「マイナンバーカード総合サイト」から「手書用の交付申請書」をダウンロードするか、市区町村の窓口で再交付してもらうことも可能です。

マイナンバーカード総合サイト(地方公共団体情報システム機構HPへリンク)

Q5. マイナンバーカードの電子証明機能とは何ですか?

A5. オンラインでの本人確認が可能となる機能です


マイナンバーカードのICチップに、「利用者証明用電子証明書」と「署名用電子証明書」という2種類の電子証明書が記録されます【図表3】。

【図表3】マイナンバーカードの電子証明機能
利用者証明用電子証明書 署名用電子証明書
利用用途 マイナポータルなどへのログインやコンビニ交付サービス 電子文書を伴う電子申請(e-Taxによる確定申告など)
暗証番号 4桁の数字 6~16桁の英数字
有効期間 発行日から5回目の誕生日まで
更新の手続き 有効期間満了日の3か月前から更新可能
年齢制限 なし 15歳未満および成年被後見人は原則発行できない
(出所)
総務省「公的個人認証サービスによる電子証明書」などを基に監修者作成

利用者証明用電子証明書は、マイナポータルへのログインや、コンビニエンスストアで住民票の写しや印鑑登録証明書などを取得する際など、「ログインをしたのが本人であること」を証明するために利用され、暗証番号は4桁の数字で設定します。

一方、署名用電子証明書は、e-Taxよる確定申告やオンラインバンキングなどの民間オンライン取引の登録など、電子文書を作成、送信するときに、「その電子文書が、本人が作成した真正なものであり、本人が送信したものであること」を証明するために利用され、暗証番号は6〜16桁の英数字で設定します。

これらの電子証明書を用いて、オンラインでの本人確認や電子署名を行う仕組みを利用することで、本人の直筆署名や捺印の手間を省き、成りすましや改ざんの防止なども担保されます。

いずれの証明書も自身が不要と判断すれば登録しないことも可能ですが、いざ必要になった際には、手続きが必要となります。実際、事前に署名用電子証明書を登録しておらず、「特別定額給付金」のオンライン申請ができなかったケースが多くあったようです。

なお、電子証明書の有効期間は、発行日から5回目の誕生日までとなりますので、失効前に更新手続きが必要です。マイナンバーカード自体の有効期間は発行日から10回目(20歳未満は5回目)の誕生日までなので、マイナンバーカードと電子証明書の更新のタイミングが別々に来る場合もあります。いずれの有効期限切れに関する通知も、有効期限が切れる2〜3か月前を目処に封書で届きます。

Q6. 健康保険証として利用できるようになると聞きました

A6. 2021年3月から開始されます


マイナンバーカードの普及促進に向けて、2021年3月からマイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになります(利用には、事前にマイナポータルで申込みが必要です)。医療機関や薬局の受付でマイナンバーカードをカードリーダーにかざすだけで、ICチップ内の電子証明書により医療保険の資格などをオンラインでスムーズに確認できるようになります(12桁のマイナンバーは使われません。また、医療機関や薬局の受付窓口でマイナンバーを取扱うこともありません)。

健康保険証の場合は、引越しをすると住所の変更手続きが必要だったり、転職をすると切替えが必要だったりしますが、マイナンバーカードの場合はそういった手続きを踏むことなく受診できるというのもメリットです。

健康保険証以外にも、マイナンバーカードを活用したデジタル化が進められています【図表4】。

【図表4】マイナンバーカードを活用したデジタル化の予定例
対象 運用開始の時期
医療関係 健康保険証として利用 2021年3月
薬剤情報、特定健診情報のオンライン確認に利用 薬剤情報:2021年10月
特定健診情報:2021年3月
処方箋のデジタル化、お薬手帳として利用 2023年度
介護保険被保険者証として利用 2023年度
就労関係 ハローワーク受付票として利用 2022年度末
各種証明書等関係 教員免許状として利用 2021年度
(出所)
内閣官房「デジタル・ガバメント実行計画」(2019年12月20日改定)を基に監修者作成

また、政府の「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ」の中では、例えば、運転免許証のマイナンバーカードとの一体化、マイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載するなどといったさまざまな課題の整理がなされているところです。

Q7. 今、話題の「マイナポイント」とは何ですか?

A7. キャッシュレス決済により、1人あたり上限5,000円分のポイントがもらえる制度です


マイナポイントは、消費の活性化、キャッシュレス決済の利用促進のほか、マイナンバーカードの普及を目的とした事業で、マイナンバーカードの所有者がキャッシュレス決済サービスでチャージや物品の購入をすると、5,000円分を上限に利用額の25%がポイントとして付与される制度です。本年9月から既にポイント付与が開始されており、2021年3月まで実施されます。

マイナポイントを利用するためには、所定の手続きが必要です【図表5】。

【図表5】マイナポイントをもらうための3ステップ
Step1.マイナンバーカードと暗証番号を準備する

暗証番号は、マイナンバーカードの申請時または受取時に自身で設定した4桁の数字(注)

(注)
「Q5マイナンバーカードの電子証明機能とは何ですか?」で解説。
Step2.マイナンバーカードを使ってマイナポイントの予約をする

スマートフォンの場合は「マイナポイントアプリ」を、PCの場合は「マイキー ID作成・登録準備ソフト」をインストールし、画面の指示にしたがって予約を行う。
予約によりマイキーIDが設定される。

Step3.キャッシュレス決済サービスを申し込む

マイナポイントを受け取る決済サービスを一つ申し込む(選択後の変更や取消しは不可)。

GOAL

2万円分の購入やチャージで5,000円分のポイントがもらえる(付与率25%)!

(出所)
総務省「マイナンバーカードでマイナポイント」を基に監修者作成

まず、スマートフォンやパソコンでマイナポイントの予約をしますが、スマートフォンでの予約は、マイナポイントアプリ対応機種に限るほか、パソコンでの予約にはICカードリーダライタが必要です。また、市区町村の窓口や郵便局などに「マイナポイント手続スポット」が用意されており、そこでも手続きすることが可能です。

マイナポイントを予約すると、8桁の「マイキーID」が設定されます。12桁のマイナンバーは、社会保障、税、災害対策での利用に限定されており、マイナポイントには利用できないため、マイナンバーとは別の、「マイキーID」を利用することになるのです。

マイナポイントの予約をしたら、決済サービスを選んで申込みをします。各種電子マネー、QRコード決済、クレジットカード、デビットカードなど選択肢は豊富ですが、一つしか選択できません(選択後の変更や取消しもできません)。決済サービスにより、利用可能な店舗、ポイントの付与方法や時期が異なりますので、ご自身の利用頻度や利用しやすさ等を踏まえて選択するとよいのではないでしょうか。

なお、マイナポイントの予約者数が予算の上限に達した場合は、予約を締め切る可能性がある点には注意しましょう。詳細は、総務省の「マイナンバーカードでマイナポイント」で確認してください。

マイナンバーカードでマイナポイント(総務省HPへリンク)

Q8. マイナンバーカードのセキュリティが心配です

A8. さまざまなセキュリティ対策が施されています


マイナンバーに紐づいた個人の情報は、特定の機関に集約する一元管理ではなく、各行政機関などが情報を保有し、法令に定めるものに限って情報の照会、提供を行うことができる「分散管理」の方法がとられています。

ICチップには、必要最低限の情報のみが記録されており、税情報や年金給付情報など、プライバシー性の高い情報は記録されていません。記録されている情報も、不正に盗取しようとすると、ICチップが壊れ、盗取できなくなります。さらに、電子証明書ごと、マイナポータルなどのアプリごとに暗証番号が必要になるほか、暗証番号の入力を一定回数以上間違うとカードがロックされる仕組みになっています。

このように、マイナンバーカードにはさまざまなセキュリティ対策が施されていますが、所有者自身が注意して管理することも求められます。紛失、盗難の際には、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)へ連絡し、速やかにカードの一時停止をしましょう。

また、マイナンバーの通知や利用、マイナンバーカードの交付などの手続きで、行政機関などが口座番号や暗証番号、所得や資産の情報を聞いたり、お金やキャッシュカードを要求したり、ATMの操作を依頼することはありません。こうした電話、手紙、メール、訪問には決して応じないよう、自衛することも重要です。

監修/中西淳一(NTTデータ経営研究所)

本コンテンツは、金融広報中央委員会発行の広報誌「くらし塾 きんゆう塾」Vol.54 2020年秋号(2020年(令和2年)10月発刊)から転載しています。
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