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「私は大丈夫」が一番危ない!
巧妙化する特殊詐欺の手口と防止策

(警視庁に聞く、特殊詐欺の未然防止策)

警視庁に未然防止策をお聞きしました。

「誰でも被害に遭う可能性があります
手口を知り家族で対策を講じることが大切です」

特殊詐欺を知らない人は少なく、「自分はだまされるはずがない」と考えている人が大半ではないでしょうか。

しかし、被害者の多くがそのような人たちなのです。

なぜ、だまされてしまうのか?

未然防止の重要性と具体的な対策とともに、警視庁犯罪抑止対策本部の髙﨑 光氏にうかがいました。

警視庁犯罪抑止対策本部 髙﨑 光氏

だまされる要因は「高齢だから」とは限らない

Q.なぜ特殊詐欺は、高齢者の被害が多いのでしょうか?


大前提として、特殊詐欺の手口は、誰でもだまされるほど巧妙です。

(年齢性別は関係ない)

このため、年齢性別を問わず被害に遭う可能性があります。

被害者に高齢者が多いため、「判断力が低下しがちな高齢者ほどだまされやすい」と考えてしまいますが、現役で仕事をバリバリされている方や企業の経営者も被害に遭っています。

高齢者に被害が多いのは、特殊詐欺によく利用される固定電話に出る機会が多いのが高齢者、とくに高齢女性であることが大きな理由です。

(電話による声の判別は難しい)

また、オレオレ詐欺の手口で「なぜ自分の子どもの声がわからないの?」と思う人も多いでしょう。

大学の研究で「高齢者でなくても、電話による声の判別は難しい」という結果が出ています。

さらに犯人は、「とにかく急いでいる」と強調することで、被害者に冷静に考える時間を与えないようにします。

そうすることで、多くの人が親心と焦りによって、正常な判断ができずにだまされてしまうのです。


Q.どのような人が被害に遭いやすいのでしょうか?


「自分は絶対だまされない」と過信している方は危険です。

警察庁が2018年に行った「オレオレ詐欺被害者等調査」では、「自分は被害に遭わないと思っていた」と答えた方が、被害者の78.2%にもなり、だまされなかった方の56.8%と大きな差がありました【図表】脚注3

【図表】被害に対する意識

「今回、だましの電話やメールを受ける前に、あなたは特殊詐欺の被害にあう可能性についてどう思っていましたか」

自分は被害に遭わないと思っていた人の割合を、被害者、事業者阻止、家族阻止、自己看破別に示した棒グラフ。被害者、事業者阻止、家族阻止、自己看破の同割合はそれぞれ78.2%、78.0%、71.5%、56.8%となっており、自己看破は被害者と比べ割合が大幅に低下。

  • 被害者とは、「被害に遭った方」
  • 事業者阻止とは、「電話などでだまされたものの、金融機関職員などの声掛けによって被害に遭わなかった方」
  • 家族阻止とは、「電話などでだまされたものの、家族などが見破り被害に遭わなかった方」
  • 自己看破とは、「自ら見破ってだまされなかった方」

(「自分の親は大丈夫」は禁物)

過信は油断となり、警戒心を持たないことで、巧妙な特殊詐欺の餌食になりやすいと思われます。

また、「自分の親は大丈夫」と安心している方もとても多いですが、決して大丈夫ではないことを認識してほしいです。

高齢であることが被害に遭う直接の理由ではありませんが、やはり現役世代と比較すれば、判断力や認識力などが弱くなり、そのうえだまされる機会が多いのですから、大丈夫であるはずがありません。

現役世代のご家族が、高齢のご両親を守る対策をもっと講じれば、特殊詐欺の被害減少に大きくつながるのではないでしょうか。

特殊詐欺を未然に防ぐ 3つの対策とポイント

Q.特殊詐欺に遭わないためには、どのような対策をすればよいでしょうか?


ご家族皆さんで、3つの対策を講じていただきたいと思います。

(常に「だまされるかも」という警戒意識を)

第1に、先ほどお話ししたように特殊詐欺を甘く見ず、「自分や家族がだまされるかもしれない」という警戒意識を常に持つことです。この意識によって、具体的な対策の効果がグンと上がるはずです。

(特殊詐欺の手口を知る)

第2に、「特殊詐欺の手口を知る」ということです。手口がわかっていれば、詐欺を見抜いたり、犯人の話に違和感を覚えることができます。

(定番のだまし文句)

特殊詐欺の手口には定番のだまし文句があり、それを知っているだけでかなりの未然防止効果があります。

例えば、現在急増している還付金詐欺では、「ATMで手続きを」が定番のだまし文句ですが、ATMでお金を戻す手続きは、役所でもどこでもできません。

このだまし文句を知っていれば、詐欺だと見抜けます。

(預貯金詐欺)

預貯金詐欺では、警察や金融機関職員などを装って「キャッシュカードを渡すように」がだまし文句です。

警察や金融機関がキャッシュカードを電話で求めるなど決してありませんので、この電話も詐欺とわかります。

(オレオレ詐欺)

オレオレ詐欺では、家族であっても「お金を至急用意して」と電話で言われたら、必ず電話を切って本人に連絡をすることを、家族のルールとして決めておくとよいでしょう。

(固定電話への対策を考える)

そして第3は、固定電話への対策です。特殊詐欺のほとんどが、被害者の固定電話から接触してきますので、この接触方法を断ち切れば、被害は大きく減らせます。

ですから、「知らない人からの電話に出ないこと」が、最も有効な特殊詐欺の防止策なのです。

(迷惑電話防止機能つき電話機)

具体的には、ナンバーディスプレイや録音機能など迷惑電話防止機能を有する電話機を使うことを推奨しています。

多くの自治体で、高齢者を対象とした自動通話録音機の無料貸出しを行っているので、ぜひ利用してください。

(常時、留守番電話設定にしておく)

また、留守番電話は常時設定しておき、内容を聞いて折返しが必要な電話だけかけ直すことを習慣にしましょう。

(家族のサポートが大事)

そしてこの対策は、現役世代のご家族が率先して行うことが大切なのです。迷惑電話防止機能付きの電話を購入したものの、「設定や使い方がわからなくてそのまま」という高齢者も結構います。

迷惑電話防止機能の設定や電話番号の登録の仕方、使い方の説明など、「あとは使うだけ」というところまでサポートしてあげてください。


Q.特殊詐欺の手口を知るためには、どのような方法がありますか?


警視庁が運用する「特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京」というWEBページを、ぜひ活用してください。

特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京(警視庁のホームページへリンク)

特殊詐欺の手口や被害に遭う原因、電話対策など未然防止に役立つ情報を、楽しく簡単に学べます。

また、防犯アプリ「Digi Police」は、現在41万以上ダウンロードされており、特殊詐欺に遭わないための学習コンテンツなどが搭載されています。

防犯アプリ Digi Police(警視庁のホームページへリンク)

あなたの行動が ほかの人を被害から守る

Q.特殊詐欺と思われる怪しい電話がかかってきたら、どのように対処すればよいでしょうか?


不審な電話が来たら、すぐに110番通報をお願いします。

特殊詐欺の中には、ある程度エリアを絞って次々と接触してくる手口もあります。

通報していただければ、そのエリアで速やかに注意喚起を行うなどの対策をたてられるため、結果的に地域の住人を守ることにつながるのです。

Q.最後に、読者へのメッセージをお願いします。


現在急増している還付金詐欺被害者の75%が、70歳以上の高齢者で、その手口は犯人が被害者に携帯電話で指示をしながら、ATM操作をさせるものです。

そのため、警視庁と都内の金融機関では、高齢者の大切な財産を守るため、「ATMでの通話はしない、させない!」運動を推進しています。

ATMコーナーでは、どなたも携帯電話で通話をしないように心がけてください。

もし、ATM付近で携帯電話の通話をしている高齢者を見かけたら、すぐにお声がけいただき、110番通報をお願いします。

ATMでの携帯電話通話をしない!させない!

ATMを悪用する還付金詐欺が全国で急増していることをうけ、警視庁と都内の金融機関は被害防止の取組みとして、東京都内全域のATMコーナーにおいて「携帯電話の通話はしない、させない!」運動を推進中です。

脚注

3
(出所)警察庁広報資料「オレオレ詐欺被害者等調査(平成30年8月1日から11月30日)の概要について」を基に作成

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