大学生のための 人生とお金の知恵
I. 人生のデザインとお金
4. 人生とお金
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人生は、お金との関係では、「3つの時期」に分けることができます。
I期・・・親などの保護者に「養ってもらう」時期 |
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人生にはいろいろなお金がかかります。たとえば、「教育、住宅、老後」などの費用です。「老後」はどうしてもかかるものです。「住宅」と「教育」は、“考え方次第”の面があります。
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人生は長くなっています。これに伴い、「Ⅱ期」で収入・貯蓄を増やすこと、長く働くこと、お金の管理・運用をうまく行うこと、が課題になっています。
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大学時代は、「Ⅱ期」に入る前の、“最終準備期間”です。これらの能力の開発が欠かせません。
《演習3》 人生にかかるお金
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自分の人生にはどのくらいのお金がかかりそうか、計算してみてください。
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自分のライフプラン(演習2)を踏まえて、大雑把に計算してください。
《演習2》 ライフプランを描いてみる -
下のコラムを参考にしてください。
コラム3人生には、大きな支出だけでも億円レベルのお金がかかる
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コラム3人生には、大きな支出だけでも億円レベルのお金がかかる
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① 老後・・・・通常、退職から死亡までの年数を考え、その間の生活費を計算します(期間×金額です)。たとえば、65歳で退職し、90歳まで生きると想定して、生活費(2人世帯)を月25万円とすると、所要額は
月25万円 × (25年間×12か月) = 7,500万円
です。この金額から、「年金で受けとることができる金額」を差し引いたものが、「老後」費用として準備すべき額になります。
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生活費を月20万円とすると6,000万円です。月30万円とすると9,000万円です。生活費は、どこで誰と(何人で)暮らすかや、生活水準に依存します。
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「年金で受けとることができる金額」はどれくらいでしょうか。公的年金の保険料を所要期間払っていれば、老後、年金を受け取ることができます(終身)。どのくらいの年金額を受け取ることができるかは、払った保険料などに依存します。たとえば現在、夫婦が2人とも国民年金を満額受給している場合、月約13万円です(25年間では4,000万円弱)。厚生年金などがある場合はこれに上乗せされます。
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② 住宅・・・・住むこと、にかかる費用です。住宅を「購入する」場合の平均的な価格(全国)は、一戸建て、マンションとも3千万円台から5千万円台です。住宅を「所有する」場合、さまざまな費用(維持管理費、税金など)がかかり、建て替え費用が必要となることもあります。
住宅は、所有するほかに、「賃借する」(賃貸住宅を借りる)こともできます。賃貸住宅を借りる場合も、支払っていく家賃の総額は、住宅購入に近い金額になるといわれます。-
所有する場合、賃借する場合、どちらの場合でも、「どこに住むか」によって費用は異なります。
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「所有」や「賃借」以外に、「住宅を所有する人(親など)と同居する」こともあります。所有する場合でも、自分で「購入する」のではなく、「親から相続する」こともあります。
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このように、住宅費用は、その人の状況や考え方によって大きく異なります。
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③ 教育・・・・「1. これまでかったお金」ですでに試算しています。高校卒業まで、公立コースで2千万円台半ば、私立コースでは3千万円台半ばでした(家庭教育費を除く)。大学4年間にかかる費用は、国立の自宅生で600万円弱、私立の自宅外生で1千万円強でした。
1. これまでかかったお金-
教育費はこのように公立か私立かで異なります。教育費以外(生活費など)も住む地域や自宅通学かどうかによって異なります。大学の学費等については、そもそも「親が全額負担するか、子に一部を負担させるか(貸与型奨学金の利用やアルバイトなど)」という問題があります。
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子の数によって、大きく異なります。
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④ 上記以外・・・・「医療費」は増加しています。ただし、健康状態と受診姿勢に大きく左右されます。また、社会保険(健康保険など)で負担される額を差し引いて考える必要があります。「結婚費用」(新生活準備費を含む)は、300〜500万円台との推計があります。ただし、どこまでお金をかけるか、誰が負担するか、という問題があるほか、地域差も大きいものです。
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これらを全体としてみると、大きな支出だけでも億円レベルのお金がかかります。日常の生活費その他を含めれば、人生にはさらに大きなお金がかかることがわかります。
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ライフプランをどう描くか(どこに誰と住むか、くらしぶり、子の数、教育についての考え方など)によって、人生にかかるお金はかなり変わります。自分のライフプランを踏まえ、必要な額を用意していく、との気持ちを持つことが大切です。
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