はやわかり金融商品取引法&金融商品販売法
金融商品販売法について
1.金融商品販売法についても知っておきましょう!
金融商品販売法(平成13年施行 18年改正)は、幅広い金融商品の販売に関して損害賠償請求ができるとした法律です。金融商品取引法と金融商品販売法は、いわば車の両輪です。
*金融商品販売法の対象範囲
預貯金、定期積金、国債、地方債、社債、株式、投資信託、金銭信託、保険・共済、抵当証券、集団投資スキーム(ファンド)持分、様々なデリバティブ取引、有価証券オプション取引、海外商品先物取引などが対象です。金融商品取引法の対象範囲より広くなっています。
ただし、商品先物取引(国内)は対象となっていません。
金融商品取引法 → 契約内容(重要事項等)について記載した書面の交付を義務づけています。
金融商品販売法 → 販売業者が以下の行為に違反したことにより損害を被った場合には、販売業者に損害賠償請求ができます。ただし、立証責任は消費者側にあります。
- 契約内容のうち、特に重要な事項について販売業者に説明義務を課し、その違反により損害を被った場合
- 販売業者に断定的判断の提供等を禁止し、その違反により損害を被った場合
業者に説明義務がある重要な事項とは:
(1)リスクに関すること
- 元本欠損のおそれがあること、あるいは、当初元本を上回る損失が生じるおそれがあること
- リスクに関する具体的な説明(市場リスク、信用リスクなど)
- 取引の仕組みの重要な部分
(2)権利行使期限や解除できる期間の制限に関すること
- 権利行使期限・・・ある期間を過ぎると価値がゼロになる商品の場合は、その期限
- 解除できる期間の制限・・・「契約を解除できない」とか、「一定期間は解除すると違約金が発生する」といった場合
価格の変動 市場での取引価格が買値よりも下がると、元本割れすることになります。 |
為替の変動 円高が進むと、円に換算すると元本割れとなる場合があります。 |
債務の不履行 預け入れ金融機関や証券の発行者が約束どおりに元金の支払いを行わない場合、元本割れすることになります。 |
損害賠償請求できる金額は:
損害賠償請求できる損害額は「元本欠損額」です。「元本欠損額」は推定されます。
*元本欠損額とは
払い込んだ額より受け取った額が少ない場合、その差額が元本欠損額になります。
たとえば、投資信託を100万円で購入した際に重要事項の説明がなく、配当金も含めても償還時60万円になった場合、元本欠損額は40万円となります。
損失補てんの禁止と損害賠償
投資性のある金融商品はもともとリスクがあります。金融商品取引法では、取引で損失が生じたからといって、顧客に損失の補てんをすることや、そうした約束をすることを禁止しています。
しかし、業者の不当な行為によって損失を被った場合は、損害賠償の対象になります。