金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2008
実施報告
大人のおかねセミナー 知るぽると金融教育教室
株式会社のしくみと東証の役割
開催場所:東セミナールーム 定員90名(各50分)
開催時刻:10:30~11:20
対 象:大人向け
講 師:(株)東京証券取引所グループ CSR推進部 東証アカデミー事務局
調査役 松浦 和江 氏
レジュメ(PDF 60KB)
私たちの身近な存在である株式会社。その基本的な仕組みや株式の特徴についてやさしく解説します。東京証券取引所の役割についても簡単に紹介します。
企業の社会的役割は、事業活動を通じて暮らしに必要な商品やサービスを提供していくことです。事業には莫大な資金が必要です。銀行から資金を借りる方法がありますが、決められた期日に利子を支払う必要があります。短期間に返済できれば問題ありませんが、製品ができて売れるまで長期間安定的に借りることは、難しい面があります。そこで「株式」を発行して応援してくれる人に出資してもらうわけです。
出資者は、企業の倒産など不都合が起きた時のリスクを背負いますが、一人ひとりから集める額を小さくすれば、出資しやすいうえ、責任が出資の範囲に限定されます。これを「株式の有限責任」と言います。
株主にはいくつかのメリットがあります。株主総会で重要事項に議決権を行使できるほか、利益の分配を受けられます。また、株を取得した時より高く売却できれば、売却益を得られます。株の発行や売買の場が「株式市場」です。
「株式市場」には「発行市場」と「流通市場」があり、『車の両輪』に例えられます。「発行市場」は企業が資金調達のために株式を発行する場で、「流通市場」は発行された株式の売買を行う場で、「取引所市場」と「店頭市場」の2つがあります。
「店頭市場」は、証券会社と投資家が直接売買する場ですが、「取引所市場」は全国に6か所あり、取引の圧倒的部分は東京証券取引所(東証)で行われています。
東証の機能は、流通市場を開き、株などを適正な価格で売買することです。そのために売買のルールを定めています。例えば、買い注文であれば高い値段を提示した注文が優先され、売り注文ではより安い値段を提示した注文が優先されます。同じ値段なら時間の早い順に売買されるのです。
東京証券取引所は、2000年に株式会社になりました。現在、世界の証券取引所で提携や合併が進んでいるため、世界に通用する魅力ある市場を目指して次世代取引システムの開発や新商品の開発に日々取組んでいます。