金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2008
実施報告
大人のおかねセミナー 知るぽると金融教育教室
生命保険のしくみと役割
開催場所:西セミナールーム 定員90名(各50分)
開催時刻:14:30~15:20
対 象:大人向け
講 師:生命保険文化センター
生活情報室調査役 牛嶋 信治 氏
レジュメ(PDF 179KB)
生命保険は約9割の世帯に普及していますが、必ずしも生命保険の仕組みや役割は理解されていないようです。そこで家庭の経済的リスク(予期しない出費や収入が無くなること)に対し、「生命保険」が果たす役割を「預貯金」との違いを踏まえながら解説します。
家庭の金銭管理には、収入、支出のほかに貯蓄、借入、保障、投資、税金があります。ここで貯蓄(ものやサービスを購入するために目標額を貯めること)と、保障(不測の事態に備えて必要な資金を確保すること)を考えた場合に、典型的には預貯金が貯蓄手段であり、保険は保障の手段ということができます。なぜそうなのか、保険の仕組みを簡単な例で考えてみましょう。
45歳の健康な男性が1,000人いて、1年間に自分が万一死亡した場合の遺族の生活資金として1,000万円を残したいと考えた場合(死亡に備える)、「預貯金」または「生命保険」の2つの手段が考えられます。生命保険では死亡率が使われます。45歳の健康な男性の場合、1,000人のうち2名が1年後に死亡すると仮定します。
生命保険の場合、1,000人から1人2万円(計2,000万円)集めておけば、1年後に死亡した2名に1,000万円ずつ、計2,000万円を支払うことができます。加入者からみれば、1年後に死亡した場合の備え(死亡保障、安心)を2万円で購入したと考えることができます。
預貯金で備えた場合、1年間に1,000万円を貯めるか、すでに貯めている場合には1,000万円を1年間自由に使うことができません。
このように保障や貯蓄を考える場合、保険や預貯金を上手に使い分けることが合理的な生活につながります。
生命保険商品を購入する場合に大切なことは、保障目的を明確にすることです。生命保険は保障目的や、保障内容が異なれば商品や保険料が異なります。購入する生命保険商品の内容を理解し不明点は確認するなどの積極的な行動が大切です。消費者の権利は保護されていますが、消費者そのものは保護されない時代がきました。「テレビコマーシャルでは言っていなかった」と苦情を言っても通じません。保険は契約です。シビアに考えていただきたいと思います。