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先生のための金融教育セミナー

2019年度 先生のための金融教育セミナー(8月・東京)

【高等学校向け】

3.分科会(金融教育の事例紹介とワークショップ)

高等学校分科会4

進行・コメント
富山県立新湊高等学校 谷内 祥訓 校長
実践発表およびワークショップ(1)

「私の福祉マインド〜私はこの仕事(分野)でこのように働きたい〜」
(2・3年 健康福祉コース「探究ゼミ」)
兵庫県姫路市立飾磨高等学校 前田 真吾 校長/岩尾 和宏 教諭

実践発表

本校には240名の普通科の中に38名の健康福祉コースがあります。本日は健康福祉コースで行った金融教育をご紹介します。総合学習の時間を使って、「探究ゼミ」を開設しました。そのねらいは、「興味あるテーマをより深く学び、将来の進路実現に結びつけること」、「主体的に学ぶ姿勢、多角的に分析する力、根拠を伴った仮説力、分析力など総合的な学力の向上を図ること」の2つです。

健康福祉コースですから、福祉に対する意識が高い生徒が多いです。そこで、「私の福祉マインド」というテーマを設定し、「健康」、「福祉」という入り口から、仕事やビジネスプランを探究しました。生徒は、2年生の4月に研究テーマを各自で決定し、5月から活動を開始しました。各分野の専門家に話を聞き、それを踏まえて6月に1回目の中間発表を行いました。教師との面談や再度の専門家へのインタビューを経て、10月に2回目の中間発表、その後、自分たちのプレゼンテーションを磨き上げ、2月にはポスターセッションを行って、最後に3,000字以上の論文を提出しました。

「探究ゼミ」を行うにあたっては、学校の中にキャリアデザイン部を設置しました。3人の専任スタッフを配置し、同部が軸となって対外交渉を行うとともに、福祉、家庭科、学級担任など7名の教員が分担しながら指導を行いました。2年生だった生徒たちは今、3年生になっています。探究ゼミを今も継続しており、自分たちが研究して提案したテーマをさらに深めています。また、自分たちの経験を基に、2年生の活動にアドバイスをするという役割も担っています。

この実践を開始した時点での生徒たちは、仕事の内容やお金の流れをよく把握していない状態でした。自分たちで調べる、あるいは専門家に直接話を聞くという活動の中でいろいろな知識を得て、それを自分なりの提案の形にし、発表することで大きく成長したと思います。また、自分の夢に向かって第一歩を踏み出す勇気になったと思います。

ワークショップ

6人のグループで、ひとりずつ異なる絵が描かれたカードを受け取り、カードをお互いに見せ合わないまま、カードに描かれた情報を言葉で共有していただきました。全員で上手くコミュニケーションをとり、情報を集めて整理すると、一つの答えが浮かび上がるようになっています。中学生や高校生は10分程度で答えにたどり着くこともあるそうです。セミナーに参加された先生方は、楽しみながら頭を悩ませておられました。

前田先生から、「本校の探究ゼミのように複数の教員が指導を行う場合にコミュニケーションにおいて留意すべきことを、このゲームを通して気づいていただけたのではないかと思います。人は案外、情報の一部分しか見ていない、伝えていないということです。また、いかに相手が話しやすい雰囲気や安心できる環境を作るかということも大変重要です」とのコメントがありました。

コメント

谷内先生より、次のようなコメントがありました。

前田先生、岩尾先生の発表を聞き、生徒の意見やアイデアを引き出すために、柔軟な発想で練られた工夫や仕掛けが随所に見られると思いました。教師が生徒に「考えなさい、紙にまとめなさい」と言うだけでなく、双方向で常に生徒とやりとりをしながら、生徒の考えを深めておられた点が印象的でした。また、専門家との意見交換やポスターセッションをとおして、自分の考えを伝える発信力やプレゼンテーション能力の向上、自己達成感を生徒自身が感じられるように工夫しておられた点も大事だと思います。

また、飾磨高等学校の実践では、マネジメント能力の育成も重視されていました。マネジメントにおいては、人・物・お金・情報といった経営資源を組み合わせて、いかに最適な成果を得るかが非常に重要です。例えば、ケーキ店で働く人は、ケーキを販売するだけではなく、ケーキの作り方、原価計算、従業員同士や顧客とのコミュニケーションなどさまざまな面で努力しています。福祉マインドを踏まえて将来の職業をしっかり考えることはキャリア教育に通じるものであり、働いて得たお金を適正に管理する意識も育成したいものです。そして、こうした学びは、社会とのつながりを持たせながら進めていくことが大切であると思っております。

高等学校分科会4の模様①

実践発表およびワークショップ(2)

「島にしかない付加価値を生かしたビジネスの創造」(3年 商業科)
島根県立隠岐高等学校 石川 隼人 教諭

実践発表

本校は、島根県で唯一、普通科と商業科を併設する学校で、全校生徒は約220人です。2つの科があるからこそできる課題解決型学習を行おうと考え、3年生の選択科目で「ジオパーク探究」という授業を行っています。今日はその「ジオパーク探究」の事例をご紹介します。

「ジオパーク探究」の目的は、「隠岐の島を知って、隠岐の島を語れる人材の育成」です。本校の生徒の多くは、卒業後、島を出ます。島を出た後で「隠岐の島ってこんなところだよ」と胸を張って言える人材を育成したいという考えで、この選択科目が作られています。

元々、隠岐の島には使われていない荒地が多いという悩みがありました。授業で生徒が「この荒地を活用したい」と言い、荒地を使ってサツマイモを育てることにしました。隠岐の島の環境は、サツマイモの栽培と相性が良いのです。さらに「隠岐の島には土産物が少ないから、収穫したサツマイモを使って土産物を開発しよう」ということになり、サツマイモを使ったパンを開発することにしました。商品名や商品の特徴を考えるにあたって、生徒たちは島に生息する天然記念物のオキサンショウウオに目を付けました。地元のパン屋さんと連携し、試行錯誤の結果、オキサンショウウオの手の形をしたパンが完成しました。商品名は「おててパン」です。パッケージを飾るオリジナルキャラクターも生徒が考案しました。パンは商業科の販売実習として地元産業祭で販売し、利益も出しました。さらに、「隠岐の島ビジネスプランコンテスト」で優秀賞を受賞しました。

今回の実践で、高校生が隠岐の島にある素材を生かして新たなビジネスを創造することができました。隠岐の島には、町民が気づいていないけれども価値のある素材がたくさんあります。それに気づいて、地域の方と連携して付加価値をつけることで新たなビジネスにつながる可能性があることを生徒たちは実感できたと思います。島根県の教員の隠岐の島での任期はそれほど長くありません。そのため、こうした実践を定着させることには難しい面もありますが、「隠岐の島だからできない」ではなくて、「隠岐の島だからこそできる」ことを活かした実践でもあると思います。

ワークショップ

隠岐高等学校で生徒のアイデアを引き出す際に行った手法を、参加者の先生方に体験していただきました。今ある素材を組み合わせて新しいビジネスを生み出すために、「地域の抱える悩み」、「地域自慢の人、物、事」、「協力してくれそうな地域企業」、「高校生が出来そうなこと」、「地域のイベントや祭り、大会」という5つの視点から検討し、新たなビジネスを考え、発表していただきました。

石川先生から、「時代の変化に合った教育をするには、地元企業、地域住民、市町村の役場などと協力することが必要であり、そのためにまず教員が地域のことを良く知ることが大切だと思います」とコメントがありました。

コメント

谷内先生より、次のようなコメントがありました。

石川先生の発表で、高等学校と地域が連携し、地域の素材に価値を加えて発信することが、地域の活性化に繋がる可能性があることを実感していただけたと思います。また、新しいビジネスの起ち上げは、経済活動、延いては資金の流れの活発化にもつながるため、起業家教育としても良い実践でした。前半の飾磨高等学校の発表にもあてはまることですが、「希少性」、つまり限られた人・物・お金をいかにして有効に使うのかということを、企業の方からのアドバイスも参考にしながら考えさせることは重要です。地元企業との信頼関係を築き、連携した実践を行っていただきたいと思います。

金融教育を行うにあたっては、三つの目を意識していただければと思います。一つ目は鳥の目。広い範囲を高いところから俯瞰する目です。たとえば、生徒にお金について学ばせるためには、一場面、一場面ではなく、世の中全体でお金がどう流れているのか、その循環を俯瞰的に見せることです。二つ目は虫の目。実践的な視点から注意深く見る目です。たとえば、金融教育と実際の経済活動とをどう関連づけ、どのような切り口で授業展開するかを検証する目です。三つ目は魚の目。水の流れを敏感に感じ取る目です。キャッシュレス社会や成年年齢の引き下げなど、新しい時代の動きに対するアンテナや感受性を高くして、学習内容に柔軟に反映していく目です。こうした三つの目で考えていって欲しいと思います。

高等学校分科会4の模様②

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