暮らしとおかねの身近な法律
4.暮らしとおかねの身近な法律(その他)Q&A
Q4-2.離婚が成立した後の年金分割は可能か?<離婚に伴う年金分割>
A子さんは1950年(昭和25年)生まれの女性で、ずっと専業主婦、同年齢の夫はサラリーマンです。夫には他に女性がいて、別居中のため調停離婚を申立て、2010年4月に離婚が成立しました。年金分割が可能か教えてください。
A4-2.年金分割は可能です。
制度が複雑ですので、まず基本的な年金分割の制度を説明します。
2007年4月以降に離婚が成立した場合に年金分割が出来ることになりました。但し、夫(分割を要求される側)がサラリーマン(給与生活者=第2号被保険者)の場合に限ります。夫が自営(第1号被保険者)の場合には年金分割はありません。厚生年金(又は共済年金)の保険料納付記録の「報酬比例部分」を夫婦で分割するものです。分割には合意分割と強制分割の二種があります。
(1)2008年3月以前に納めた年金について―合意分割
話し合い、又は調停か裁判で決めないと年金分割はできません。分割割合は5割が上限です。通常「年金分割のための情報通知書」を取り寄せて、調書に記載してもらいます。この結果は離婚後2年以内に年金事務所へ届出ることが必要です。
(2)2008年4月以降に納める年金について―強制分割
2008年4月以降で第3号被保険者(専業主婦又は主夫)であった期間は、夫婦の年金保険料記録が自働的に二分割されているので、離婚が決定した場合は、強制的に年金分割をしてもらえます。
A子さんは2010年4月の離婚成立ですので、2008年3月以前の年金分は合意による分割を求めれば、最大5割までの分割が可能ですし、同年4月から離婚成立までの年金分は(2)の強制分割の適用を受けることになります。