わたしはダマサレナイ!!
第33話 アフィリエイトやドロップシッピング内職に関するトラブル
インターネットを使ったビジネスの仕組みを悪用したトラブルが増えています
「アフィリエイトでおカネを稼ごう」、「ドロップシッピングで簡単起業」などの謳(うた)い文句で、インターネットを使った必ず儲かる副業があると勧誘され、最終的には高額な登録料などをだまし取られるトラブルが後を絶ちません。最近は「友人を紹介するとさらに儲かる」といったマルチ取引のようなケースも見られ、大学生など若者に被害が広がっています。
point1 「誰でも簡単にできる内職」とアフィリエイトを勧誘される
アフィリエイトとは、個人のホームページやブログに、契約企業の商品やサービスの広告を掲載し、その広告がクリックされて商品などが売れると、報酬が得られる仕組みです。
アフィリエイトを始めるには、商品を販売する企業と直接契約するか、専門の仲介業者と契約する方法があります。
このときは「仮登録」などの形をとって、手数料などの初期費用はかからず、また自分で在庫用の商品を先買いする必要もありません。とても手軽に始めることができます。このため、悪質業者はアフィリエイトを騙(かた)って、「誰でも簡単にできる内職」、「必ず儲かる」などと勧誘してきます。
point2 勧誘の場はSNSサイトが主流。“親しい仲間”が悪質業者の手先かも!?
悪質業者は、副業を紹介するサイトの閲覧者やメールマガジンの読者に誘いをかけてきます。また、SNSサイトで知り合いになったうえで、個別に勧誘してくるケースも見られます。こうした勧誘につられて始めてみると、実際にはまったく儲かりません。そこへ業者から「有料の本登録をすれば、勧誘マニュアルなどの営業ノウハウやツールを提供する」というメールが届きます。先のSNSサイトの知り合いからも「本登録してノウハウを知ってから儲かり出した」、「本登録料は消費者金融で工面。儲かったのですぐに返済できた」といった体験談を聞かされます。また「有料登録をする人の勧誘に成功すると、紹介料をもらえる」などと、マルチ取引的な勧誘を勧められることもあります。
被害者はそれを鵜呑みにして、借金までして本登録してしまいます。しかし簡単に儲けに役立つはずのツールはまったく役に立たず、有料で登録してくれる人を勧誘することも容易ではありません。結果的に借金だけが残ります。
point3 自分で商品を販売するホームページを開設するドロップシッピング
ドロップシッピングは、メーカーや卸業者の代理店となり、商品販売サイトを自分で開設し、商品が売れた場合は、卸値と販売価格との差益が自分の利益となる仕組みです。こちらも商品在庫を持たずに始められますが、システム利用料などがかかります。
ここでのトラブルは、「ホームページの開設や販売のノウハウはすべてサポートするので必ず儲かると説明を受け数十万円の登録料を支払ったものの、まったく儲からず、業者からは何のサポートも受けられない」といった内容のものが多く見られます。
point4 失うものはお金だけではない。友人関係に修復できない亀裂も…。
アフィリエイトやドロップシッピングに関するトラブルで失うものは、「お金」だけではないケースも多いのです。売上げのために友人に無理に商品を買ってもらったり、身近な人を次々に登録へと勧誘した結果、人間関係を損なうといったケースも見られます。
point5 トラブルに巻き込まれないためには
トラブルに巻き込まれないためには、「手軽にできる」、「必ず儲かる」といった言葉を信用しないこと。「簡単にお金を稼ぐことはできないこと」を肝に銘じましょう。また、誰か友人が登録すると紹介料をもらえると誘われた場合は、いわゆる「マルチ取引」の可能性が高いといえます。友人や先輩からの誘いでも、勇気をもってキッパリ断わりましょう。
困った場合には早めに消費生活センターに相談しましょう。
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関連サイト
「アフィリエイトやドロップシッピング内職に関するトラブル」についての詳しい情報は、以下をご覧ください。
- 20代に増えている!アフィリエイトやドロップシッピング内職の相談-友人を紹介すると儲かる!?借金をさせてまで支払わせる事例も-(国民生活センターHPへリンク)
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「わたしはダマサレナイ!!」のほかにもお役立ち連載がいっぱいです。