第59話 「高額で購入」、「入場できない」、「お金だけ取られた」 インターネットでの転売チケット購入トラブル

point1  転売仲介サイトやSNSでのチケット購入に注意！

新型コロナの感染防止対策を講じたイベントの開催が増えてきています。それに伴い、全国の消費生活センターへの、ライブやスポーツ観戦などのチケットをインターネットで購入してトラブルになったという相談が、20代を中心に増加傾向にあります。トラブルの多くは「転売仲介サイトで購入」や「SNSなどでの個人間取引」ですが、とくに、悪質性の高い転売仲介サイトがあり、消費者庁から注意喚起が出ています。

point2  公式販売サイトと誤認させ転売禁止のチケットを高額で販売する悪質な転売仲介サイト

転売仲介サイトによるトラブル事例で、悪質と思われるケースを紹介します。

事例①
「イベント名をWEB検索して、１番上に表示されたWEBサイトを公式販売サイトと思いアクセス。画面に購入制限時間のカウントダウンが表示されたので慌ててしまい、価格や利用規約を確認しないで購入。後で転売仲介サイトと分かり、正規のチケット代金より高額だったので、返金を求めたが応じてくれない」

このケースの問題点は、消費者が検索結果の上部に広告表示された転売仲介サイトを、公式販売サイトと勘違いしてアクセスしてしまい、アクセス先でも転売仲介サイトであることが分かりづらいため、誤認したまま購入してしまう点です。そして、カウントダウンの表示により、消費者が商品情報や利用規約を確認する余裕を無くしてしまう点も、大きな問題といえるでしょう。また、キャンセル不可とする利用規約も多く、その場合は誤認に気づいてもキャンセルが困難です。

事例②
「転売仲介サイトで入手が難しいライブのチケットを購入。ライブ当日、会場で転売チケットと指摘され、このライブは特定興業入場券なので入場できないと言われた」

このケースの問題点は、販売されたチケットが特定興業入場券という点です。特定興業入場券とは、日本国内で行われる映画やイベントなどのチケットのうち、不特定または多数の者に販売され、かつ「販売に際し、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、その旨が券面等に記載されているもの」、「興行の日時・場所、入場資格者または座席が指定されたもの」、「販売に際し、入場資格者または購入者の氏名及び連絡先を確認する措置が講じられており、その旨が券面等に記載されているもの」のいずれにも該当するものが対象となります。2019年に通称「チケット不正転売禁止法」が施行され、特定興業入場券の不正転売が禁止されましたが、転売仲介サイトやオークションサイトなどで販売されていることがあり、消費者は入場できない可能性のあるチケットを、購入してしまうことになります。

そのほか、「SNSで知り合った人にチケット代金を支払ったがチケットが届かず、相手と連絡が取れなくなった」というようなケースも少なくありません。SNSでの個人間取引のトラブルは、解決が極めて困難です。

point3  興業主の公式WEBサイトで特定興業入場券か事前に確認

トラブルを回避するために、チケットは公式の販売サイトから購入することをお勧めします。WEB検索した際は、利用規約や運営事業者の所在地、連絡先が明示されているか確認してから利用しましょう。また、SNSでの個人間取引は避けたほうがよいと思われます。転売仲介サイトを利用する場合は、チケットが特定興業入場券ではないかを、興業主の公式WEBサイトで確認してください。

トラブルになったり、購入前でも不安に思ったりしたときは、消費者ホットライン188へすぐに相談してください。